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「対抗競技大会」が育む沖縄野球の逞しさ。
~甲子園強豪県へ押し上げた理由~ 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/07/04 10:00

「対抗競技大会」が育む沖縄野球の逞しさ。~甲子園強豪県へ押し上げた理由~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 都道府県別に見て、'08~'10年までの3年間、高校野球の頂点に立っていたのは沖縄県である。'08年春の沖縄尚学、'10年春・夏の興南と3度の覇権を手にしているのだ。その間の通算成績は20勝4敗、勝率.833と圧倒的。

 '11年以降の甲子園大会は5勝6敗と負け越しているが、'13年の明治神宮大会で沖縄尚学が優勝、翌春の選抜ではその勢いを駆って準々決勝に進出している。その強さは依然として続いていると考えていいだろう。

 沖縄を全国有数の強豪県に押し上げる原動力になっているのが「沖縄県野球部対抗競技大会」だろう。毎年1月に行われ、今年は加盟63校中57校が参加、約1200人の野球部員が各種競技で得点を争うという、全国的にも非常に珍しいイベントである。

 各種競技とは、1500m走、100m走、立三段跳び、1800mリレー、遠投、塁間走、塁間継投、打撃の8つだ。ベース1周のタイムで競うのが塁間走、ボール回しの速さで競うのが塁間継投、横一列に並んだ打者が一斉に置きティーでボールを打ち、その飛距離で競うのが打撃である。2010年にこのイベントを目の当たりにした際、これら3種目のクオリティに驚いた。

 沖縄球児の真骨頂は、全力疾走と内野手の素早い動き、さらに捕手寄りでボールを捉えたあとのフルスイングである。まさにこの競技会が沖縄野球の骨格を作ったと言っても過言ではない。

沖縄尚学・山城と赤嶺謙、美里工・伊波ら有力球児が。

 この競技会の上位校がその夏の選手権に出場する、というのは今や定説となっている。過去10年では'05年沖縄尚学、'08年浦添商、'09年興南、'11年糸満が競技会の優勝と選手権出場を果たしている。

 今年はどうかというと、1位糸満、2位那覇、3位浦添商、4位興南の順で、強豪の沖縄尚学は7位と遅れをとった。このあたりが今夏の沖縄大会優勝の有力候補になるが、1回戦で興南が前原に敗れ、波乱含みの幕開けとなった。

 沖縄尚学の投打の柱、山城大智と赤嶺謙、選抜大会でストレートが最速142kmを計測した美里工の本格派・伊波友和、競技会優勝校・糸満のエースであり、最速145kmを誇る赤嶺祥吾など、有力球児の活躍からも目が離せない。沖縄の熱い戦いはもうしばらく続いていく。

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