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非伝統校も気を吐く、北関東の充実ぶり。
~甲子園での活躍を生む理由~ 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/06/21 10:30

非伝統校も気を吐く、北関東の充実ぶり。~甲子園での活躍を生む理由~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

これまで高校通算21本塁打を放っている樹徳の野平大樹。夏の甲子園でも爆発できるか。

 高校野球の勢力図で最も顕著な変化といえば、“北関東の充実”が挙げられるだろう。昨年夏の甲子園大会で、前橋育英が群馬勢としては'99年の桐生第一以来14年ぶりの優勝を遂げている。

 これが唐突なことに思えないのは'99年の桐生第一の優勝の後、群馬県勢は夏の甲子園を17勝13敗と勝ち越しているからだ。近年では'12年春の健大高崎が4強、'14年春の桐生第一が8強と甲子園での躍進が続いている。

 群馬だけではない。栃木勢は作新学院が'11年夏4強、'12年夏8強、佐野日大が'14年春4強、茨城勢は常総学院が'13年夏に8強進出と強さを発揮している。

 この躍進著しい北関東で何が起こっているのだろうか。私が注目しているのは1年生大会だ。栃木では11月、群馬では5月に行われている。東京、神奈川、埼玉、千葉でこういう大会が行われたとはついぞ聞いたことがないが、他地区に目を転ずれば1970年代、沖縄県が全国に先駆けてスタートさせている。

 沖縄では野球部員が遠投、塁間走など8競技の総得点で順位を争う「野球部対抗競技大会」を40年以上も前から行っている。目的は基礎体力の向上などだが、本土の野球に遅れをとりたくないという一念によって衝き動かされたイベントであることは間違いない。

学校数、野球人口で遅れを取る分、部員のやる気を煽る。

 北関東勢にも東京を中心とした強豪校に対する対抗心がある。学校数や野球人口で遅れを取る分、部員のやる気を煽るアイデアで対抗していくというスタンスで、こういう取り組みの中から昨年夏の優勝投手、高橋光成(前橋育英)のような超高校級の人材が輩出されている。

 この勢いは今年も続いている。5月に行われた関東大会では準決勝進出4校のうち、樹徳(群馬)と佐野日大(栃木)が北関東勢だった。

 樹徳には野平大樹という強打者がおり、佐野日大には選抜で大会屈指の左腕として騒がれた田嶋大樹が控えている。野平は関東大会初戦の東海大浦安戦で3打数3安打、関東一戦では先制2ラン、タイブレークに持ち込まれた延長10回には決勝打となる2点タイムリーを放つなど、スカウトにその名を強く印象づけた。

 伝統校以外の高校からこういう人材が輩出されているところに北関東の勢いを感じるのである。

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