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ウリエが語るW杯の戦術的トレンド。
2人のストライカーと、「暑さ」が鍵? 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byShuichi Tamura

posted2014/06/18 16:30

ウリエが語るW杯の戦術的トレンド。2人のストライカーと、「暑さ」が鍵?<Number Web> photograph by Shuichi Tamura

フランス代表、リバプールなどの監督を歴任し、リヨンではリーグ・アン2連覇も達成したジェラール・ウリエ。

2人のストライカーを採用するチームの増加。

 それからもうひとつ言えるのは、ストライカーを2人並べる傾向が再び強まっていることだ。

 だがそれは必ずしもトップに2人を並立させるのではなく、縦並びの関係であったり、1人がトップでもう1人はサイドであったりする。多くのチームがそういう風にバリエーションを変えながら、2人のストライカーを併用している。それまではトップレベルのチームは、1人のストライカーと5人のミッドフィールダーを配置するのがノーマルなやり方だった。しかし今は2人のストライカーと4人のミッドフィールダーというバランスに再び変わりつつある。あるいは1人のストライカーと1人の下がり気味のストライカーだ。

 なぜそうなってきたのか。(ファールをとる基準がより厳しくなり)ストライカーが守られるようになったというのはある。またFIFAも、プレーをよりスペクタクルにするためにルールの遵守を指導している。そういう背景がある」

ブラジルやウルグアイは3トップをとっている。

――ブラジルであればネイマールとフッキがトップとサイドにいるわけですね。

「彼らふたりに加えてフレッジもいる。彼らは3トップだ。2トップと言ったが3トップもある」

――ウルグアイもそうで、スアレスとカバニ、フォルランの3トップです。

「しかしたとえばイングランドはルーニーとウェルベック、あるいはルーニーとスタドリッジの2トップだ」

――他に新たな傾向として、ドイツのサッカーがフィジカルの強さを強調しながら再び台頭したとは言えませんか?

「強さもそうだがスピードはインターナショナルなサッカーにおいて常に重要な要素だ。技術の高いプレーをスピーディーに連続的に展開できればそれだけで素晴らしい」

【次ページ】 「ドイツが私の優勝候補だ」

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