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セリエA得点王は、伊達じゃない。
インモービレはイタリアを救うか。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2014/06/19 10:30

セリエA得点王は、伊達じゃない。インモービレはイタリアを救うか。<Number Web> photograph by Getty Images

イングランド戦では後半28分からバロテッリに代わってピッチに立ったインモービレ。ドリブル、ミドル、ワンタッチとあらゆる形でゴールを決める生粋のストライカーだ。

 イングランドとの初戦を2-1で快勝し意気上がるイタリアに、虎視眈々と大会初ゴールを狙う男がいる。

 今季のセリエA得点王、FWインモービレだ。

 アズーリでの公式戦出場3試合目にあたる熱帯マナウスでの試合に、73分から途中出場し、W杯デビューを果たした。

 インモービレは、リードしている状況を正確に把握しながらも敵陣に残り、パスが来れば相手DFを引きずった。彼らのライン・コントロールを破り、ロスタイムにはゴールまであと一歩に迫った。

 イタリアの“ワンダーボーイ”になる可能性を秘めるインモービレを先発で使わないのは、あまりに惜しい。彼は今、ピークコンディションにあるのだ。

ガゼッタ紙のアンケートで8割超の支持を得た。

 開幕を控えた8日、フルミネンセとの最終テストマッチを行なったイタリアは、5-3の撃ち合いを制した。

 昨年9月のチェコ戦以来、実に7試合も勝利から遠ざかっていたアズーリに、非公式戦とはいえ白星をもたらしたのは、先発したインモービレだった。

 31分のFKから、技ありヘディングで1点目を奪うと、53分に味方シュートのこぼれ球をすかさず押し込んで2点目。その1分後にはスルーパスに反応して抜け出し、GKとの1対1を右足アウトサイドでゴール右隅を冷静に打ち抜いて制し、ハットトリックを完遂した。

 加えて、コンビを組んだFWインシーニェには2アシストで先制点とダメ押し点をプレゼントした。生粋の点取り屋だが、エゴイストとはちがう。

 こうなれば、母国イタリアの世論が黙っていない。

 ブラジルW杯でアズーリの攻撃を託すべきは、本調子にないバロテッリ&カッサーノの悪童FWコンビではなく、インモービレとインシーニェによるナポリ出身FWコンビではないのか。

 急遽『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が行なったアンケートの結果は、明白だった。82.8%の圧倒的支持。インモービレのゴールをイタリアが欲している。

【次ページ】 恩師ゼーマンが語るインモービレの「美点」。

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