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リオで金獲得を目指す、太田雄貴の新たな挑戦。
~フェンシング地位向上への戦い~ 

text by

折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

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photograph byTsutomu Takasu

posted2014/05/31 10:30

リオで金獲得を目指す、太田雄貴の新たな挑戦。~フェンシング地位向上への戦い~<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu

次の大きな舞台は7月にロシアで行なわれる世界選手権。世界トップへの返り咲きを狙う。

 今年1月中旬のフェンシングW杯パリ大会で国際舞台に復帰して以来、7試合目となる今月の高円宮牌W杯。2回戦で敗退した太田雄貴は「以前とはぜんぜん違いますね。昔だったらベスト32で負けてたら、へこんでしまって何も話せないと思うんです。でも今はけっこうポジティブに捉えていますから」と笑みを浮かべた。

 パリ大会に続くスペイン・ラコルーニャ大会では3位になったが、3月のドイツ・ボン大会では予選落ちとまだ調子の波は激しく、世界ランキングも32位と上がってはいない。

「個人で銀メダルを獲った北京五輪の後には、2年後のパリの世界選手権で優勝したいという目標があったけど、今は特にそういったものがないので、ゲーム感覚でフェンシングを楽しんでいる感じです。まだ、獣の目にはなっていないというか……(笑)。僕は気分屋なので、五輪の直前にならないとスイッチが入らないかもしれない。それも考慮に入れながら、リオで金メダルを狙う準備を万全にしなければいけないと思っています」

フェンシングを続けながら漫画の監修も精力的に務める。

 一昨年のロンドン五輪では、団体で銀メダルを獲得。その後去就を表明しなかった太田が、昨年、国体に出場して現役続行を決意した裏には、自分が招致に関わった2020年東京五輪開催に向け、再来年のリオデジャネイロ五輪でも間をあけることなく、日本のフェンシング熱をさらに盛り上げていきたいという思いがあった。

 さらに、フェンシング普及のための新たな取り組みにも携わっている。「少年サンデー」の4月30日発売号から連載が始まったフェンシング漫画『銀白のパラディン 聖騎士』の監修を務めているのだ。

「あの話がきた時はホントに嬉しかったですね。先日行なわれた東日本中学生大会では、僕の頃は100人ほどしか出ていなかったのに今年は220人くらい出場したそうです。10年ちょっとで倍になったのは嬉しいけど、もっと競技人口を増やして日本のフェンシングのベースを上げていくためにも、この漫画は大きな意味を持っていると思っています」

「世界の舞台に戻って良かった」と感じているという太田。日本でのフェンシングの地位を確固たるものにするためにも、今後の戦いはより意味を持つだろう。

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