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伝統のモナコGPのもうひとりの勝者。
マルシア、5年目の初入賞の立役者。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byAFLO

posted2014/06/01 10:30

伝統のモナコGPのもうひとりの勝者。マルシア、5年目の初入賞の立役者。<Number Web> photograph by AFLO

レース後、ジュール・ビアンキの9位入賞を祝うマルシアチーム。ケータハム、ザウバーを抜きチームランクで9位となった。

 今年のモナコGPには、2人の勝者がいた。ひとりはチーム内バトルを制して2年連続優勝を飾ったニコ・ロズベルグ。そして、もうひとりは、F1参戦5年目にして、初めてポイントを獲得したマルシアのチーム代表を務めるジョン・ブースである。

 マルシアはいまから4年前の2010年、60年以上の歴史を持つF1の世界にケータハム(参戦当初はロータス)、HRT(参戦当初はヒスパニア)とともに新規参入してきたチームである。3チームはいずれも小規模で、参戦当初から目立った存在ではなく、メディアにもあまり採り上げられることはなかったため、常に「新興チーム」という枠の中で紹介され続けてきた。しかし、この3チームの中で、1チームだけほかの2チームと決定的に異なっていた集団がある。それがマルシアである。

 マルシアがほかの新規参入チームと一線を画しているのは、チームの成り立ちである。ケータハムとHRTがF1に参戦するために、チームが新しく設立されたのに対して、マルシアには母体となるレーシングチームがすでに存在していた。それはイギリスのF3選手権などを戦っていたマノー・モータースポーツだ。

21歳でレースを始め、セナともともに走った。

 チームを設立したのはジョン・ブース。今年、60歳になる初老の紳士がモータースポーツの世界に足を踏み入れたのは、21歳のとき。シルバーストンで開催されていたフォーミュラ・フォードを見たのだ。

「当時、最終コーナーだったウッドコートで観戦していたんだが、5台のマシンがサイド・バイ・サイドでバトルしながら立ち上がっていくのを見て、血湧き肉躍るほど興奮したんだ」というブースは、すぐにレースを始めた。そして、2年後にはそのフォーミュラ・フォードで優勝。アイルトン・セナと同じコースで走ったこともあった。

「確かドニントンパークだったと思うが、予選で100分の3秒アイルトンに及ばず、ポールポジションを逃したことがあった。フロントロウからアイルトンと一緒にスタートしたことは、いまではいい思い出だよ」

【次ページ】 「ブースはレース界のレジェンドだよ」

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