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日本一の牧場が送り出す名牝の仔~ファストフレンドの12 その3~ 

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posted2014/05/29 12:45

日本一の牧場が送り出す名牝の仔~ファストフレンドの12 その3~<Number Web>

ファストフレンドは、1999年の夏以降、川崎、船橋で牝馬限定のダートグレードを3連勝し、ダート界の頂点を決める東京大賞典でGⅠ初挑戦ながら2着に健闘しました。2000年のダート界は、ファストフレンドが牽引しました。フェブラリーSで3着の後、夏のダート王決定戦・帝王賞を含む重賞3連勝を挙げ、暮れの東京大賞典でも前年の雪辱を果たし、夏冬のGⅠを制覇の偉業を成し遂げました。それらの活躍が称され、この年のNARグランプリ特別表彰馬に輝いています。
 
母となったファストフレンドもすでに20歳。ディグニファイドは、中央競馬でデビューする7頭目の子供になります。これまでデビューした6頭のうち、未勝利馬は1頭のみ。その他は勝ち上がり、重ねた産駒の勝利数は9勝と優秀です。特に、フォーティファイドは中央4勝の他、南関東に移籍後、大井記念と金盃を制すなど、現在もトップクラスで活躍しています。それらの弟にあたるディグニファイドは、兄弟の中でも最も順調に育ち、早い時期からデビューができそうな様子を前回のコラムで紹介しました。
 
4月26日(土)に福島県天栄村にあるノーザンファーム天栄で見学ツアーが開催されましたが、今年はすぐに美浦、栗東各トレーニングセンターに送り込むことができるほど調教進度が進んだ馬を見学して頂く方針で、厳選された10頭が登場。その中に、ディグニファイドもいました。午前9時半、新白河駅に集合してバスでノーザンファーム天栄へ。歓迎式なども行われた後、広大なコースを走る姿を見学しました。

速い時計を出すことよりも、走る姿を見て頂くことに主眼を置いた走りは、ブリーズアップセールの方針に似たものがありありました。それでも、楽に好時計が出る馬もいたり、
「こんなに速く時計を出すつもりはなかったんですが…」
と、広瀬春行場長が苦笑いを浮かべながら場内放送で解説するシーンもありましたが、それだけ順調だという表れです。
 
ディグニファイドは、時計という面ではその中で特に目立った走りではありませんでしたが、恵まれた馬格を生かすパワフルでダイナミックな走りに、誰もが魅了されるほど。一般的に、跳びが大きい馬は短距離ではなく、長めの距離が適しているとされていますが、母のファストフレンドも中・長距離が得意だったこともあり、その血を受け継いだフォームで駆け抜けました。
 
北海道のノーザンファーム空港牧場でお話を伺った際も
「オンとオフがしっかりし、スタッフ皆のアイドルホースです」
と言われていましたが、調教見学が終わった後、各馬の展示があったので近くでディグニファイドを見させて頂きましたが、本当にノンビリした馬で、気性のきついタイプが多いネオユニヴァース産駒の牡馬とはとても思えないほど、人なつっこい性格でした。
 
この後すぐ、栗東トレーニングセンターへ入厩し、競走馬への第一歩を踏み出しました。今からデビューが待ち遠しい限りですが、デビュー前に牧場で逞しい姿を見ることができたのは、まさに一口会員の醍醐味と言えるでしょう。
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プロフィール
古谷剛彦(ふるやたけひこ)
昭和50年東京都生まれ38歳。
関西大学卒業後、電子競馬新聞「JRDB」に入社。04年に退社し、道新スポーツや内外タイムスで競馬記者として活躍。
現在はフリーライターとして、スポーツ報知「こちら日高支局です」やうまレター「南関東競馬ニュース」など連載多数。
グリーンチャンネルに出演中。

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