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キプロス戦へ、そして大一番のW杯へ。
日本代表・鹿児島合宿密着レポート。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byGetty Images

posted2014/05/27 10:50

キプロス戦へ、そして大一番のW杯へ。日本代表・鹿児島合宿密着レポート。<Number Web> photograph by Getty Images

怪我からの回復具合について注目が集まっている内田篤人。27日のキプロス戦での出場はあるのだろうか。

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 【6】~日本代表・鹿児島合宿/最終日レポート&練習後会見~
      香川真司「初戦を迎えるためのメンタルをいかに持っていくか」

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 5月25日、合宿最終日。朝の9時半から練習が始まった。報道陣に公開された練習の序盤の15分では、スローインからチャンスを作る練習を念入りに行なっていた。中でも目を引いたのは、サイドのFWの選手がスローインを投げるふりをして、ボールをサイドバックに渡す。すると、相手のマークがついていなかったサイドのFWの選手はライン際を駆け出す。サイドバックがスローインを素早くトップ下かセンターフォワードの選手に送り、そこからフリーになっているサイドのFWにパスを出すというもの。普通のスローインの練習ではなく、サイドのFWが投げるふりをしてサイドバックに渡すというプレーまで練習をしていたのは驚きだった。

 2012年9月にホームで行なわれたイラクとのW杯最終予選では、練習をしていたスローインの形から岡崎が抜け出し、そのクロスを前田が決めるシーンがあった。W杯の本大会でも同じような場面が見られるのだろうか。

 前日に引き続き、本田と長友は記者の前で話をすることはなく、軽く挨拶をかわした程度だった。この日は香川に話を聞いた。

しっかりと集中して、生活しないといけない。

――ゲーム形式のトレーニングをやったことで、実戦のイメージも湧いてきたのでは?

「練習のイメージは常にいいですけど、試合と重ならない部分もあるので、徐々に、ですね」

――チームのイメージとして理想的な戦いは?

「11月の2試合(※編集註:欧州遠征のオランダ戦、ベルギー戦)はチームとしては上手く戦えていたんじゃないかなと思います」

――そのイメージを大切にすると?

「それもそうですし、そのイメージを常にみんなが持っていると思うし。それプラス、個人、個人が意識しているところはあるんじゃないかなと思いますけどね」

――本大会前の3つの練習試合では強い相手は少ないですが、それをどうやって本番につなげていく?

「自分たちが初戦を迎えるためのメンタルをいかに持っていくか。その3試合で悪くても別に問題はないですし。もちろん、良いことにこしたことはないですけど。大事なのは初戦なので。それまでの3試合で、確認するところは確認していくべきだと思っています」

――この合宿の成果は?

「メチャクチャ(ハードに)やりました。ここからのケアが大事になってくるし。疲労もある中で試合を迎えるわけだから。しっかりと集中して、生活しないといけない。うまくメディカルスタッフと話しながら、アメリカやブラジル(での試合)に向けて調整してきたいと思います」

 練習が終わると、選手たちは昼食をとり、鹿児島空港へ移動。そこから羽田空港に飛んで、都内で行なわれた壮行会に出席した。

 ただ、鹿児島空港では、選手たちのバスが到着する2時間近く前から選手の様子を一目見ようと人だかりが出来ており、空港職員らがその対応に追われることに。日本代表が鹿児島に来ていたのを知らなかった人が、職員に何があるのかを尋ねる場面も。鹿児島では史上空前の日本代表フィーバーが巻き起こっていたのだった。

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