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正攻法の遠藤は、相手役がいてこそ!
九重部屋三人衆の“やんちゃ”な個性。 

text by

阿部珠樹

阿部珠樹Tamaki Abe

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photograph byKyodo News

posted2014/05/22 10:50

正攻法の遠藤は、相手役がいてこそ!九重部屋三人衆の“やんちゃ”な個性。<Number Web> photograph by Kyodo News

5月場所7日目には横綱・鶴竜を破る金星を挙げ、破顔一笑の千代鳳。しかし、上位との対戦が続いた場所序盤は黒星が先行。初の三役で破竹の進撃とはならなかった。

 東京の本場所には1日は出かけるようにしているが、1月ぐらいからだいぶ雰囲気が変わってきた。明らかに活気が出てきたのだ。やはり遠藤の活躍は大きい。今場所は6日目の金曜日に行ってみたが、平日なのに、満員御礼の垂れ幕が下りてきた。平日の満員御礼は10何年ぶりとかいうことだ。

 しかし、ヒーローひとりでは相撲全体を支えるのはむずかしい。1トップよりも2トップがほしいし、格闘技だから、ベビーフェイスだけでなくヒールも見たい。

 そんなことを考えていたら、うってつけの素材がいた。それもひとりではなく3人。いずれも九重部屋の力士だ。

 今場所小結になった千代鳳と東二枚目の千代大龍、そして西十一枚目の千代丸。この3人、遠藤が白組なら黒組とでも呼べそうないい面構え、面白い個性を持っている。3人を見ていると、チームスポーツにチームカラーがあるように、個人競技でも同じ部屋でひとつ釜のめしを食っていると部屋色というか、個性が出てくるものなのだと感心してしまう。

大あくびに居眠り、油断のならぬたたずまい。

 単純に悪役と決めつけるのは気の毒だが、この九重三人衆を見ていると、ついやんちゃな少年時代を過ごしたんじゃないかと想像したくなる。

 3人のうちでいちばん年上の千代大龍は学生横綱を経て角界入りした大器だが、2歳下で正攻法の遠藤とは対照的に、突き押しと引き、はたきを得意にしている。半端相撲などと批判もあるが、本人は意に介さず、己のスタイルを貫いて、時に大関を食ったりする。支度部屋で準備運動もせずに居眠りしたり、大関との対戦の前に土俵下で大あくびを見せたりと大胆不敵な振る舞いも話題になった。だが、あくびしたあとの取り組みで大関を破るなど、実力もなかなか侮れない。色浅黒く、もみあげは長く、体毛豊富であんこ形だが俊敏。油断のならぬたたずまいである。

【次ページ】 いつも全力、清く、正しくでは面白くない。

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