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連日実施されるビデオ判定。
アメリカ球界の評価は?
~チャレンジ制度で減った誤審~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2014/04/28 10:00

連日実施されるビデオ判定。アメリカ球界の評価は?~チャレンジ制度で減った誤審~<Number Web> photograph by AFLO

 野球という競技の性格上、「曖昧さ」はつきものだが、より正確に越したことはない。そんなジレンマを解消する目的も含め、メジャーでは今季からビデオ判定の枠組みが拡大された。2008年8月の導入以来、再検証は本塁打判定に限定されていたが、アウトやセーフをはじめ様々な領域にまで拡張。今季の開幕後はスムーズに「チャレンジ制度」が定着している。

 本格的な開幕を迎えた3月31日。カブスのレンテリア監督が「チャレンジ」したのが、皮切りだった。このとき判定は変らなかったが、同日、ブルワーズと対戦していたブレーブスのゴンザレス監督が再審を求めたところ、当初「セーフ」だった判定が初めて「アウト」に覆った。その後は、ほぼ毎日のように「チャレンジ」する光景が見られるようになった。

 ビデオ判定の拡大について、米球界内では数年来、論議を繰り返してきた。映像技術の飛躍的な発達に伴い、試合進行とほぼ同時に「誤審」が明白になるケースが頻出し、審判への批判も相次ぐようになった。そこでコミッショナーの諮問機関が中心となって実施方法の検討を続け、最終的に判定する範囲を拡大することで合意した。

“恩恵”を受けたイチローも冗談を交えて納得の表情。

 日本人メジャーでは4月2日、ロイヤルズ青木宣親の投手前安打が再判定で投手ゴロに変わり、今季初安打はお預けとなった。ヤンキース田中将大のメジャー初先発となったブルージェイズ戦では、イチローの二塁ゴロが内野安打に覆った結果、ヤンキースが逆転に成功。田中のメジャー初勝利につながった。

 判定拡大について、現時点で批判的な声は聞こえてこない。再審議に要する時間は、ほぼ2分以内。ロイヤルズのヨスト監督は「審判側にとっても難しい判定ばかり。新ルールは事前の予想通りに機能していると思う」と、より正確な判定を歓迎している。アウトの判定が安打となったイチローにしても、「今まで何百本あったんですかね。何千本とまではいかないですけどね」と冗談交じりに話すなど、誤審が減ることには納得の表情を浮かべる。

 今季終了後、試合時間の延長をはじめ正確なデータが発表されるだろうが、新規定施行は、まずは順調なスタートを切ったといえそうだ。

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