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地元愛、救世主、そして投資事業。
プレミアに見る「オーナー」の形。 

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並木裕太

並木裕太Yuta Namiki

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/04/25 10:50

地元愛、救世主、そして投資事業。プレミアに見る「オーナー」の形。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

2011-2012シーズンにチェルシー史上初のCL優勝を果たし、ドログバと喜びを分かち合うアブラモビッチ(左)。

1400億円 (プレミアリーグ・チェルシーのオーナー、アブラモビッチがクラブにつぎ込んだ金額)

 今シーズンの欧州サッカーも終盤戦。そんな中、香川真司選手の所属するマンチェスター・Uのデイビッド・モイーズ監督がついに解任されました。今季から6年契約を結んでいたにもかかわらず早々に解任された理由は、オーナーであるグレイザー家からの信頼を失ったためだといいます。

 いざとなれば監督のクビを切ることもできる、オーナーという存在……。今回の「スポーツのお値段」では、プロスポーツチームの「オーナーシップ」について、プレミアリーグを舞台に現状を紹介していきたいと思います。

 まず、プレミアリーグには外資に対する規制はありません。全20クラブのうち実に11のクラブが外国人・外資によって保有されています。

 最も有名なのはロシアの石油王アブラモビッチでしょう。2003年にチェルシーのオーナーとなり、大補強の末に欧州屈指の強豪クラブを作り上げました。現在までの約10年間にクラブにつぎ込んだ資金は約10億ユーロ(1400億円)に上ると言われています。

 '11-'12シーズンを制したマンCも、'08年にアブダビの富豪マンスールによって買収されました。マンスールはアブラモビッチに並ぶ約10億ユーロを、この5年間でクラブに投資したといいます。

中東のオイルマネーがプレミアでも第一勢力に。

 よく知られているように、プレミアに流れ込んでいる資金源の第一勢力は、上記のような中東を中心とするオイルマネーです。

 これは欧州全体に見られる傾向でもあり、クラブ売上ランキングトップ20のうち、7クラブ(バルセロナ、レアル・マドリー、パリ・サンジェルマン、アーセナル、ミラン、マンC、ハンブルガーSV)のトップスポンサーが中東の航空会社によって占められているという事実が何よりの証拠でしょう。

 その一つであるプレミアの古豪アーセナルも、スポンサーシップだけでなく、オーナーシップまで中東の手に渡るのではないかと噂されています(アメリカ人の現オーナーのもとへ2500億円のオファーが届いた、と報じられています)。こうしたオイルマネーは、中東全体のイメージアップや、欧州経済界で真のVIPとして認められるステータスの獲得などが投資の主たる理由になっていると推測されます。

【次ページ】 第二勢力は意外にも、アメリカから流入するマネー。

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