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日本人FWに期待したい、
若手選手のさらなる台頭。
~「元・超高校級FW」対決を観て~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byShinji Akagi

posted2011/01/19 06:00

天皇杯準決勝、対FC東京戦で同点弾を決めたFW大迫勇也。鹿島は4度目の天皇杯優勝

天皇杯準決勝、対FC東京戦で同点弾を決めたFW大迫勇也。鹿島は4度目の天皇杯優勝

 例年、年末年始はサッカー三昧で過ごしている。大会によって、中学、高校、大学、Jクラブと、カテゴリーは様々で、必ずしもレベルの高い試合ばかりではないのだが、それぞれの試合に違った意味合いがあって、おもしろい。

 なかでも、メインイベントは天皇杯と高校選手権。天皇杯ではシーズン最後のタイトル争いが、高校選手権では未来を担う逸材の発見が、最大の見どころだ。

 そう言えば、昨年12月29日、東京・国立競技場での天皇杯準決勝で、興味深い顔合わせに出くわした。

 この試合で対戦したFC東京と鹿島の先発メンバーに、揃ってかつての高校選手権得点王の名前があったのだ。

 東京の平山相太は、国見2、3年時に2年連続得点王となり、通算の個人最多得点記録(17ゴール)の保持者。対する鹿島の大迫勇也は、鹿児島城西3年時に得点王となり、1大会の個人最多得点記録(10ゴール)の保持者である。

 つまり、掛け値なしの「超高校級FW」だったふたりが、世代を超え、国立の舞台で顔を合わせたわけだ。

天皇杯決勝では、元・選手権得点王の大前元紀が国立に。

 もちろん、この顔合わせが興味深かったのは、懐古趣味的な理由だけではない。ふたりが攻撃をリードする存在として堂々とプレーし、そのうえ、ともにゴールまで決めてくれたからである。

 とりわけ、大迫の変化は新鮮な驚きだった。昨年の同時期はプロの世界で伸び悩んでいる印象を受けたが、1年の歳月を経て、明らかにプレーに余裕が生まれた。オリヴェイラ監督も「まだ伸びしろがある。競争意識が以前より高まった」と、その成長ぶりに目を細める。

 ちなみに3日後の天皇杯決勝では、清水の大前元紀が国立のピッチに立っていた。彼もまた、かつての高校選手権得点王(流通経済大柏3年時)。昨年、J初ゴールを記録するなど、成長の証を見せ始めているひとりである。

 昨年、J1では前田遼一が2年連続得点王に輝いたとはいえ、得点ランク上位の多くは、外国人FW。アジアカップの日本代表メンバーを見ても、FWは3名にまで絞られている。どう考えても、日本人FWの層が厚いとは言い難い。

 新たな年を迎え、期待したいのは日本人FWの活躍。「元・超高校級」をはじめとする、若い力の台頭である。

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