ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER

チーム初のCL、そしてW杯へ――。
岡崎に必要なのはエゴか、献身性か? 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

PROFILE

photograph byPicture Alliance/AFLO

posted2014/04/11 10:30

チーム初のCL、そしてW杯へ――。岡崎に必要なのはエゴか、献身性か?<Number Web> photograph by Picture Alliance/AFLO

バイエルンとの試合以降、コンディションを落とすマインツの中で苦しむ岡崎慎司。クラブ史上初の欧州カップ戦の出場権を賭けて、終盤の5試合に挑む。

不器用な岡崎は悩んだ先に、いつも成長が待っていた。

 有言実行は嫌いで、物事を断定的に語るのもイヤ。そして不器用。そんな岡崎だからこそ、何度も悩む。ただ、その先にはいつも大きな成長が待っている。

 確かに今は悩んでいる。ただ、岡崎のこれまでから振り返れば、残る5試合で悩みを吹っ切れるようなプレーと結果を見せられたら――。

 ブンデスリーガでシーズンを通してゴールを重ねられたという実績と、自信を得られる。それはもちろん、シーズンのあとに待っているブラジルW杯に臨む武器になるはずだ。

「(目標をゴールを狙い続けるという)1つに決めて、ずっとチャレンジしてきて、残りの試合で『どうしようかな~』と悩む試合を2試合続けてしまったので。考えようによっては、周りを生かしながら自分が得点する形(を探ること)も必要になってくるかもしれないし……」

 そう語った後で、こう付け加えるのを忘れなかった。

「サポーターも期待していると思うし、チャンピオンズリーグかヨーロッパリーグの出場権は取りたいなと思います」

「CLかヨーロッパリーグの出場権は取りたいな」

 第29節終了時点で7位につけるマインツは、CL圏内の4位・ボルシアMGと勝ち点4差、EL圏内の6位・ヴォルフスブルクとも3差と、クラブ史上はじめてのCLに出るチャンスが十分にある。

 その中で、常にチームのためにプレーするという岡崎の信念は変わらない。あとは、その信念を貫いて、貢献するにはどの道を進めばいいのか。あくまでもゴールを決められる位置にとどまるのか。それともゴール以外の仕事をする割合を増やすのか。

 悩んだ上で下す決断は、岡崎の未来に大きな意味を持ってくるはずだ。たかが5試合。されど5試合。岡崎にとってはそれくらい大切な試合が控えているのだ。

BACK 1 2 3
マインツ
岡崎慎司

海外サッカーの前後の記事

ページトップ