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第2戦マレーシアGPで珍事が発生。
伝統を破ったチームとマッサの意地。 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2014/04/05 10:30

第2戦マレーシアGPで珍事が発生。伝統を破ったチームとマッサの意地。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

レース序盤でマクラーレンのケビン・マグヌッセン(右)を追撃するウイリアムズのマッサ(左)とボッタス(中央手前)。このときは、マッサを抜かないようボッタスにチームオーダーが出され、ボッタスは「僕のほうが速いのに!」と不満を募らせながらも戦略に従った。しかし、終盤に出されたチームオーダーをマッサが守ることはなかった。

屈辱的なオーダーが、マッサに再び襲い掛かった。

 チームオーダーを伝統的に多用してきたフェラーリから移籍してきたマッサにとって、それは魅力的なレースフィロソフィだったに違いない。だからこそ、レースエンジニアから2度入ってきた無線に、マッサは戸惑いを隠せなかった。

53周目
「いいか、フェリペ。ボッタスのほうがタイヤの状態がいい。だから、彼を先に行かせろ」

54周目
「君のほうがボッタスより遅い。彼を前に出すんだ」

 果たして、マッサはチームから出された指示を破った。それは4年前を知る者にとって、想定外の行為だった。マッサは、フェラーリ時代の2010年ドイツGPでレースエンジニアから「フェルナンド(・アロンソ)のほうが、君より速い」と屈辱的なチームオーダーを告げられ、アロンソにトップの座を譲ったことがあったからである。

 じつはそのメッセージを4年前に送ったレースエンジニアのロブ・スメドレーもマッサとともにフェラーリからウイリアムズに今年、移籍していた。ただし、マレーシアGP時にはスメドレーはおらず、第3戦バーレーンGPから現場に復帰するという。もし、スメドレーがマレーシアにいたら、彼はどんな指示をマッサに出していたのだろうか。マッサとスメドレーの長いシーズンが始まった。

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