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教本とは程遠い新鋭ゴルファー2人。
一流の条件は「見せかけでない個性」。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byZUMA Press/AFLO

posted2014/04/02 10:40

教本とは程遠い新鋭ゴルファー2人。一流の条件は「見せかけでない個性」。<Number Web> photograph by ZUMA Press/AFLO

インドネシアPGA選手権では、一時首位に立つなど、存在感を放った時松隆光。今季のツアーでどんな戦いを見せてくれるのか。

 3カ月半のオフを経て2014年の日本男子ツアーが開幕した。昨年強さを誇示した松山英樹が海を渡って迎えた新シーズンは、片山晋呉、小田孔明をはじめとした中堅世代の選手たちが、久々にツアーを引っ張りそうな様相だ。

 とはいえ、ファンはいつも新しい魅力のあるプレーヤーを求めるもの。異彩を放つ逸材なら、諸手を挙げて大歓迎。

 今年、そんな期待を抱かせてくれそうなのが、時松隆光(ときまつ・りゅうこう)と大堀裕次郎(おおほり・ゆうじろう)の2人。昨シーズンは、いずれもシード権を獲得するには至らなかったが、わずかなレギュラーツアーの出場で印象的な活躍を見せた。だが実績と同じくらい周囲に興味を持たせるのが、それぞれの個性的なスイングスタイル。見掛け倒しではなく、何よりそれを築いてきた芯の強さを感じさせるのである。

松山英樹を上回るリカバリー率を出した20歳。

 高卒3年目、時松はまだ弱冠20歳の新鋭プロだ。

 168cmと体格に恵まれず飛距離は出ないが、それをカバーするショットの安定性と忍耐力が光る。昨年、12試合に出場して記録したリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)は68.25%。これはなんと松山英樹を上回る、全選手中トップの数字だった。

 年末の予選会を11位で通過し出場権を得た今季。3月末に国内開幕戦に先駆けて行われたインドネシアPGA選手権で、終盤に崩れて48位で終わってしまったが、2日目を終えた時点では首位に立つなど、初勝利が遠い状況とは決して言い切れない状況にある。

 卓越したショートゲームの技術を持つ時松だが、まず目を奪われるのが、独創的なパッティングスタイルだ。極端に左足を引いたオープンスタンスで、ボールの側面を下から上にこすり上げるように打つ。またショットの際には、右手小指と左手人差し指をからめずに、野球のバットを持つようにベースボールグリップでクラブを握る。ルーツはどちらも小学校高学年の時に師事した地元九州のコーチの教え。それを忠実に守り抜いてきた。

【次ページ】 「源蔵パット」の異名を取ったパッティング。

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