ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER

ペップの改革とバイエルンの“抵抗”。
2トップ、ポゼッション、マンネリ……。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

PROFILE

photograph byAFLO

posted2014/03/27 16:30

ペップの改革とバイエルンの“抵抗”。2トップ、ポゼッション、マンネリ……。<Number Web> photograph by AFLO

新天地バイエルンでも、新たな伝説を打ち立てたグアルディオラ。CLでの古巣バルセロナとの対決は実現するのだろうか。

「素晴らしい記録も作ることが出来たし、ものすごいシーズンだ。これからビールのシャワーを浴びるよ」

 そんなロッベンの言葉は、バイエルンの状況を端的に表している。

 ハインケスが率いた昨シーズンは史上最速(当時)となる28節終了時に優勝を決め、シーズン終了時までに歴代最多となる勝ち点91を積みあげ、ドイツのクラブとしては初めて国内リーグ、カップ、CLの3冠を達成した。だから、ドイツ史上最高のチームと呼ばれていた。

 しかし――。

 グアルディオラが監督に就任し、ゲッツェとチアゴを加えた今シーズンは昨シーズンよりも早く、27試合を終えた時点で25勝2分けの圧倒的な成績でリーグ優勝を決めた。

 1試合あたりの平均獲得勝ち点は2.85点を数える。これはドイツだけではなく、ヨーロッパの主要リーグでも最高のペースだ。

64戦連続ゴール、52試合負けなし、リーグ戦19連勝。

 これまでの1試合あたりの平均勝ち点の歴代1位は、昨シーズンのバイエルンの記録した2.68点。2位は、イングランドのフットボールリーグ初年度の1888-89シーズンという120年以上前にプレストンが記録した2.64点。これにつぐのが2011-12シーズンのレアルと'12-'13シーズンのバルセロナの2.63点となっている。

 いかに驚異的なペースでバイエルンが勝ち点を積み上げているのかがわかるだろう。

 ちなみに、バイエルンが更新中の主な記録は以下の通り。

・リーグ64試合連続ゴール
・52試合負けなし
・アウェーで33試合負けなし
・リーグ戦で19連勝

 さらに、ブンデスリーガ史上はじめてのリーグ戦無敗優勝と、'91年から'93年までの間にACミランが記録した58試合負けなしの記録に挑んでいる。

 では、バイエルンの何が変わったのだろうか。

【次ページ】 グアルディオラは徹底したポゼッションを植えつけた。

1 2 3 4 NEXT
バイエルン
ジョゼップ・グアルディオラ
アリエン・ロッベン
マリオ・ゲッツェ
チアゴ・アルカンタラ
バスティアン・シュバインシュタイガー
ロベルト・レバンドフスキ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ