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韓国が既に進めている、
平昌五輪に向けた強化策。
~4年後に向けての特別帰化制度~ 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/03/23 10:30

韓国が既に進めている、平昌五輪に向けた強化策。~4年後に向けての特別帰化制度~<Number Web> photograph by Getty Images

プーチン大統領から勲章を授与されるアン。韓国では称賛、批判さまざまな反応があった。

 近年のオリンピックは、夏冬ともに、開催国が活躍する傾向が顕著だ。

 先月閉幕したソチ五輪でも、それは同様だった。ロシアは不振に終わった2010年のバンクーバー五輪で3個だった金メダルが13に、メダル総数でも15から33と倍以上に増えて、参加国中ともにトップ。しかも総数は、旧ソ連時代の最多29個を上回る好成績である。

 成功の要因としては、開催に向けた強化費の大幅増なども挙げられるが、海外の力の導入も大きかった。

 カーリングはスイスから、ボブスレーならカナダから、というように、各競技の強豪国から指導者を招いたのである。総数は90名前後におよんだ。

 さらに、帰化選手の活躍も見逃せない。ショートトラックでは、韓国で「皇帝」と呼ばれる名選手であったビクトル・アンが3つの金メダルと1つの銅メダルをロシアにもたらし、韓国で波紋を呼ぶことにもなった。また、フィギュアスケートの団体とペアに出場し、2つの金メダルを手にしたタチアナ・ボロソジャルは'10年のバンクーバー五輪後、ウクライナから帰化し、ロシアの男子選手とコンビを結成した選手。帰化選手の存在はロシアに限ったことではなく、事情もそれぞれだが、ロシアの躍進に貢献したのは間違いないところだ。

雪上競技が弱い韓国は、どのような強化を図るのか?

 帰化を含めた強化策は、2018年に行なわれる次の平昌五輪に向けて、開催国である韓国でもすでに進められている。例えばアイスホッケーでは、NHL(北米プロリーグ)で活躍した経歴などを持つ3人のカナダ人選手が帰化した。日本でも長野五輪を前に、アイスホッケーで日系カナダ人選手の帰化が相次いだが、韓国は2011年からもとの国籍を放棄しないでよい特別帰化制度をスタート。帰化への抵抗がより少なくなっていると言われる。

 韓国は、冬季競技においては得手不得手がはっきりとしていて、特に雪上競技に大きな弱みがある。開催国の活躍が続く中、どのように強化を図っていくのか。夏季競技では国籍変更して活躍する選手の存在がクローズアップされ、問題視されることもあったが、冬季オリンピックでもそうした傾向は強まるのか。

 これからの韓国の強化への取り組みが興味深いところだ。

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