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7年ぶりに東北で男子ツアーが開催。
復興へ、ゴルフが福島の先駆けに。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORTS

posted2014/03/20 16:30

7年ぶりに東北で男子ツアーが開催。復興へ、ゴルフが福島の先駆けに。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORTS

2011年のダイヤモンドカップでは、石川遼、薗田峻輔らが復興支援の募金活動を行なった。

「震災3年 ボランティア激減 発生時の1割強に」――。

 今月の初め、インターネットでこんなタイトルのニュースを目にした。多くの命を奪い去ったあの日から3年が過ぎた。

 プロゴルフ界でもその風潮は変わらない。日本ゴルフツアー機構(JGTO)と日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が震災復興支援として収めた義援金も、以下のように年々減少傾向にある。

(JGTO)
'11年/2億7512万2001円
'12年/814万774円
'13年/約180万円(予定)

(LPGA)
'11年/1億9219万5031円
'12年/9823万2835円
'13年/3371万7330円

東北でのツアー戦は、2007年以来途絶えていた。

 男子ツアーを主管するJGTOの減額幅がLPGAに比べて大きいのは、集まった資金を宮城県内でのプロアマイベントや被災地でのジュニア交流会の資金に充てていることが理由。だがそれを加味しても、関心が年々小さくなっていることは疑いようもない。

 とはいえ、嘆くべきニュースばかりでもない。今年2月、日本男子ツアーは新規大会の開催を発表した。7月31日から4日間、福島県のグランディ那須白河ゴルフクラブで行なわれる、ダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメントである。

 東北地方での男子のレギュラートーナメントは、2007年まで宮城県内で行なわれていたJCBクラシックを最後に開催されていなかった。つまり震災以降、初めて被災地で行なわれる待望の男子ツアーの試合なのだ。

【次ページ】 トーナメント化に歩みだした3週間後のことだった。

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