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新天地で受け入れられた、
ハワードの“笑顔”の意味。
~名門レイカーズを去って得たもの~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2014/03/16 10:30

2月19日、今季初のロサンゼルスでの対レイカーズ戦に出場。古巣を打ち破ったハワード。

2月19日、今季初のロサンゼルスでの対レイカーズ戦に出場。古巣を打ち破ったハワード。

 幸せだから笑う人もいれば、幸せになりたいから笑う人もいる。ドワイト・ハワード(ヒューストン・ロケッツ)の場合は後者だ。白い歯から歯茎まで見せるトレードマークの笑顔は、漫画のキャラクターのようで愛嬌があり、確かに、まわりを幸せな気分にさせるようなパワーがある。

「世の中にはネガティブなことが溢れているけれど、生きているだけですばらしいこと。僕らはロールモデルとして、ポジティブなことを広めるべきだ」と言う。

 しかし、この数年はその笑顔が禍を呼ぶことも多かった。まわりから理解されず、「ヘラヘラ笑っていて真剣さが足りない」と批判もされた。意図に反して、笑顔を見せることで不幸せな状況に追い込まれるという悪循環にあった。

 確かに、笑うだけでは解決しないことも多い。ロサンゼルス・レイカーズで過ごした昨シーズンは、多くの故障に加え、チームの方向性や相性の問題など、様々な課題が山積みの厳しいシーズンだった。その中でのハワードのジョークや笑顔は、タイミングを外しているときも多く、コービー・ブライアントらベテラン選手たちの反感も買った。

ロケッツでは若い選手たちと笑顔で上を目指す。

 そう思うと、ハワードが去年夏にレイカーズを離れ、ロケッツを選んだのは自然な流れだった。28歳のハワードが年長の一人になるぐらい若い選手たちが揃ったロケッツでなら、笑顔を見せることに躊躇する必要がなかった。チームメイトたちもいっしょになって笑い、ふざけ合いながら気持ちを盛り上げ、上を目指せるような雰囲気があった。

 ロケッツのヘッドコーチ、ケビン・マクヘイルは、「ドワイトは、幸せなときほどいいプレーをする選手だ。去年の彼は、幸せそうには見えなかった」と言う。

 2年前に手術した腰の状態もほぼ完治し、全盛期のようなキレを取り戻してきた。ジェイムス・ハーデンらチームメイトとの連係も向上し、年明けから20勝6敗(3月4日時点)とリーグ最高の成績で、プレイオフに向けて調子をあげている。

 ハワードは言う。

「バスケットボールを楽しむためには、自由でなくてはいけない。僕はコート上で、できるだけ楽しみたい。バスケットボールは最高の仕事なのだから」

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