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全ては'19年W杯のために。
若きジャパンの武者修行。
~世界に通用するラガーマンを~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2014/03/09 10:30

全ては'19年W杯のために。若きジャパンの武者修行。~世界に通用するラガーマンを~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

中学時代はサッカーでも将来を嘱望されていた筑波大の山沢。1年生にしてエースを担う。

「世界では、19歳や20歳でテストマッチ・デビューを飾っている選手がたくさんいますからね」

 沢木敬介ヘッドコーチ(HC)は、さも当然という表情で言った。2月19日、オーストラリアで開催されるパシフィックラグビー杯に出場するジュニア・ジャパンのメンバー発表会見。オーストラリアの強豪州やサモア、フィジーなどの準代表チームと戦うこの大会に、沢木HCは、全員20歳以下という若いチームで臨むことを発表したのだ。

 4月には、ジュニアワールドラグビートロフィー(JWRT)が香港で開催される。世界トップ国の代表予備軍が鎬を削るU20世界選手権(JWC)の下部大会だ。日本は過去4年のうち3度準優勝で昇格を逃し続け、昨季は決勝にも進めず敗退した。JWC昇格を勝ち取るためには、並の強化プログラムでは届かない。そんな決意が、南半球のエリートが居並ぶ大会での武者修行を選択させた。

筑波大・山沢、帝京大・松田らをタフな環境に送り込む。

 ハードルは高い。昨年は佐々木隆道(サントリー)らトップリーグ選手10人を含む陣容で臨んだが6試合で平均60失点を喫して全敗。相手はスーパーラグビー予備軍がひしめき、藤田慶和が「どこもウェールズより強かった」と振り返ったほどだ。一方ジュニア・ジャパンは32人のうち7人が高校生。大学でレギュラーを取れていない選手も多い。

「タフなツアーになるのは分かってます。だけどこの世代は'19年W杯で中心になっていなきゃいけない。タフな経験は必ず彼らを成長させるはずです」(沢木)

 将来性は折り紙付きだ。日本選手権で東芝から4トライを奪う攻撃のタクトを振った筑波大の山沢拓也は、埼玉・深谷高3年で日本代表候補合宿を経験。帝京大の松田力也は1年生にして大学選手権5連覇の絶対王者で司令塔役を担った。大学のトップレベルに達した選手たちは、次のステージへ上げていかないと停滞する。それよりも、タフな環境を承知で大きな果実を掴みに行こう。そんな決意が透けて見える。沢木HCは言う。

「日本ではこれまで、この年代の選手が世界と戦う機会がなかったですから」

 同じことを繰り返していては、違う結果は望めない。住み慣れた環境に背を向け、世界に伍していくのだ――。若きジャパン戦士の挑戦に、どうか幸あれ。

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