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初の国技館開催の白鵬杯で、
横綱が見せた“おもてなし”。
~自由参加のちびっこ相撲大会~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/02/25 06:15

初の国技館開催の白鵬杯で、横綱が見せた“おもてなし”。~自由参加のちびっこ相撲大会~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 2014年幕開けの1月場所で、28度目の賜杯を抱いた白鵬。近い将来、大鵬の持つ最多優勝記録32回に並び、越える日もその視野に入って来た。

 その白鵬が実行委員会名誉会長を務める、小中学生の相撲大会「白鵬杯」が開催された。4度目となる同大会は、念願だった両国国技館での初の開催。「相撲を取る子どもたちに、私と同じ国技館の土俵を踏ませてあげたかった」と横綱は言う。北は北海道、南は鹿児島県の奄美群島、モンゴル、中国、韓国のちびっこ力士たちも参加し、総勢約570名の子どもたちが相撲の殿堂に大集結した。

 毎年8月に開催される「わんぱく相撲全国大会」は、いわば子どもたちの「本場所」にあたる。この大会は日本相撲協会と東京青年会議所が主催。約4万人いる各地のちびっこ力士たちが地方予選を勝ち抜き、4年生から6年生の精鋭たちが「わんぱく横綱」を目指す。出場権を獲得して国技館の土俵に立つまでの道のりは険しいが、この白鵬杯は「自由参加」だ。年齢、レベルに関係なく、友好を目的とするその主旨に、白鵬の大義があった。全国大会には出場できずとも、日々、厳しい稽古に涙している子、小さな体でただ相撲を楽しむ子――そんなちびっこたちのため、競技人口拡大にも一役買う意義のある大会となる。

横綱の“手弁当”が相撲愛溢れる力士達を動かした。

「遠距離からの参加チームには、実行委員会が交通費の補助と宿泊費の負担をしてくれた。離島からの参加は金銭的にも大変で、全国大会に向けて父兄たちは地元のお祭りで屋台を出したり、空き缶の回収をして遠征費用を作っているほどですから、助かりました。成績を気にせず、初めて飛行機に乗る子も、『ご褒美』として連れて来られたんですよ」

 そう、ある離島のチームを率いる監督は言う。場所前の力士会では、ベテラン力士の豊ノ島が、「横綱が一生懸命に準備して手弁当でやる大会。時間のある力士は是非、協力をして盛り上げましょう」と呼び掛けた。賛同した日馬富士、琴奨菊や鶴竜など、約15名の人気力士たちも、子どもたちの熱戦を見守った。

「相撲を取る子どもたち。君たちは日本の宝だ!」

 モンゴルで生まれた大横綱の「相撲愛」溢れる言葉が、未来の横綱たち――ひとりひとりに伝わっていた。

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