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課題は世代交代とペナント奪回。
谷繁新監督のキャンプの1日。
~強竜復活へ正捕手は譲らない~ 

text by

渋谷真

渋谷真Makoto Shibutani

PROFILE

photograph byKYODO

posted2014/02/20 06:10

ブルペンで谷繁監督と話す達川光男コーチ。頼もしい補佐役だ。

ブルペンで谷繁監督と話す達川光男コーチ。頼もしい補佐役だ。

 気温23度、快晴。沖縄県北谷町の2月1日は、例年よりかなり暑かった。谷繁元信にとって26度目のスプリングキャンプだが、過去と決定的に違うのは肩書だ。今季からはセ・リーグ最年長の野手にして、12球団最年少の監督である。

 ドラゴンズとしては59年ぶり。「兼任監督」を語れるのは野村克也、古田敦也らわずかな経験者くらいだろう。そのためか、キャンプ初日に北谷に集まった報道陣は例年より多く、各局のカメラクルーが谷繁監督を追った。どんな動き、練習をするのか誰にも予測がつかないからだ。ただ、谷繁本人は涼しい顔でこう振り返った。

「その場、その場になってみないとわからないこともあるし、経験しながら考えてやっていきますよ。監督としてのスイッチ? 入ってるのは入ってますよ。入らなきゃまずいでしょ!」

個々の状況把握は名参謀・森繁和ヘッドらに任せている。

 谷繁の1日は、原則的に選手として動く。朝はウオーミングアップから始まり、キャッチボールやノックを受け、ブルペンで投球練習を捕り、フリー打撃もやる。監督として動きだすのは全体メニューが終わるころ。ノックバットを手に、個別練習を見守るのだ。初日はルーキー捕手の桂依央利に捕球の見本を見せ、2日目は3年目の高橋周平の特打に熱い視線を送った。球場を去るのはコーチよりも早く、1人のベテラン選手だった昨年までよりは遅い。細かい指導や個々の状況は、ある程度コーチに任せ、報告を受けて把握しているということだ。

 兼任監督に注目が集まる理由は、不安視されているからにほかならない。「そんなこと、本当にできるの?」というわけだ。攻撃時のサインはどうする? 守備では継投の人選やタイミングは? 想像がつきにくい分だけ、疑問も増える。そんな中でキーポイントをあげるとするならば“優秀な参謀”と“権限を委譲する度量”だろう。幸いなことに谷繁監督には落合政権を支えた森繁和ヘッドコーチがいる。投手陣の掌握と継投にはすでに十分な実績がある。明確な線引きこそまだされていないが、谷繁が正捕手に軸足を置く土壌はできているはずだ。

<次ページへ続く>

【次ページ】 若手の台頭とベテランの踏ん張りで戦力の底上げを。

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