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“天国と地獄”を耐え抜く、
実力者スティーブンソン。
~NBAオールスター落選の雪辱を~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2014/02/15 08:10

オールスター落選を現地メディアはこぞって「冷遇」と報じ、怒る彼の挙動が注目された。

オールスター落選を現地メディアはこぞって「冷遇」と報じ、怒る彼の挙動が注目された。

 インディアナ・ペイサーズのランス・スティーブンソンが、オールスター戦の選出から外れた。

 スティーブンソンはNBA4シーズン目のガード。ニューヨーク育ちらしいアグレッシブなプレースタイルで昨季から頭角を現し、プレイオフでも勝敗を決する活躍を見せた。今季はさらに成長し、オールラウンド選手の指標となるトリプルダブル(得点など3つの項目で2桁を記録)はすでにリーグ最多の4回記録している。東カンファレンス首位ペイサーズに欠かせない選手として、オールスターの有力候補と言われていたのだ。

 1月末に発表されたオールスター・ロスターの中に自分の名前がないことを知ったスティーブンソンは「腹を立てている」と言い、「今までも周りを見返したい気持ちが強かったが、さらに強くなった」と、悔しさを隠そうともしなかった。

浮き沈みの激しいキャリアの男を、ペイサーズは信じる。

 スティーブンソンは、これまで、まるでエレベーターのような、上がったり下がったりのキャリアを送ってきた。12歳のときにニューヨークの伝統あるプレイグラウンド、ラッカーパークで年上相手に互角にプレーして注目を集め、13歳でNBA TVのインタビューを受け、後に“ボーン・レディ”(生まれながらに準備ができている)とのあだ名をつけられた。高校時代は4年連続でチームを市大会優勝に導き、地元の英雄となった。シンシナティ大に進学し、1年でNBAのドラフトにエントリー。しかしドラフトでは、私生活の問題などが足を引っ張り、2巡目、通算40位まで指名されなかった。ペイサーズに入ってからも、ローテーション入りするのに2年かかった。

 一度、頂点を知った選手が、底辺に落ちた時こそ、その選手の真価が問われる。スティーブンソンにとって好運だったのは、彼を信じるチームに恵まれたことだ。

「コーチが自分を信頼し、自由にやらせてくれて、ミスをしても使い続けてくれることで、リラックスしてプレーできる」と、浮上できた理由を語る。

 今は悔しいだろうが、これまでを考えれば、今年のオールスターに選ばれなかったことはたいしたことではない。スティーブンソン自身も言う。

「オールスターはこの先もずっとなくならない。全力で努力し続ければ、その機会はきっとやってくる」

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