SCORE CARDBACK NUMBER

エンジン規則改定が物語る、
モトGPクラスの未来。
~共通ソフト化に対抗するメーカー~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2014/02/09 08:10

エンジン規則改定が物語る、モトGPクラスの未来。~共通ソフト化に対抗するメーカー~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

ホンダの市販マシンRCV1000R。ワークス勢との性能差をどれほど縮められるか?

 ワークスチームがしのぎを削るモトGPクラスのエンジン規則が、今季大きく変わる。

 これまでのモトGPクラスのマシンは、プロトタイプと呼ばれるワークスマシンと、参加台数を増やすために採用された、量産エンジンを使用するCRTマシンに分かれていた。しかし、速さを追求するワークスマシンに対し、CRTマシンはパフォーマンス面で大きな隔たりがあり、その差は縮まらなかった。

 そこでグランプリを運営統括するドルナは、メーカーに対してCRTマシンを使用するチームにワークスエンジンを供給するよう要請。それを受けてホンダは市販レーシングマシンを発売し、ヤマハはワークスエンジンのリースを実施する。さらにドルナは共通ECU化を図るなど、格差解消に次々に手を打った。

 ECUとは走行性能を大きく左右するエンジンコントロールユニットのことで、実績あるマニエッティ・マレリ製を採用する。しかし、ソフトの共通化はワークス参戦の意義を失いかねないため、メーカーが猛烈に反対。今年のマシンは共通ECUと共通ソフトを使う「オープン」と、共通ECUと独自ソフトを使用する「ファクトリー・オプション」という二つの枠組みに分かれることになった。

低コストの「オープン」がワークスマシンよりも多い事態に。

「オープン」は、シーズン中に使用出来るエンジンの数が12基、燃料タンクが24Lと、これまで通りCRTマシンの枠組みを継続。それに対して「ファクトリー・オプション」はエンジンが5基、燃料は昨年より1L減の20Lと一段と厳しくなるが、これだけのハンディキャップがあっても、独自ソフトを使うワークスマシンの優位は変わらないと言われる。

 1月中旬に出た暫定リストでは、「オープン」13台、「ファクトリー・オプション」11台がエントリーする。参加台数に関しては、コストを抑えた「オープン」がワークスマシンをついに逆転することになった。

 これまで主流だったワークスマシンが「ファクトリー・オプション」という呼び方になり、加えて、過半数を割ることになった。となれば、ドルナの次なる改革は、「オプション」の廃止だということが容易に想像できる。モトGPクラスのエンジンルールは、大きなターニングポイントを迎えている。

関連コラム

関連キーワード
ホンダ
ヤマハ

ページトップ