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クラシックを盛り上げる、
10年ぶりの“地方の星”。
~プレイアンドリアル、JRAに挑む~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/02/08 08:10

クラシックを盛り上げる、10年ぶりの“地方の星”。~プレイアンドリアル、JRAに挑む~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 プレイアンドリアル。「祈りと現実」という意味深長なネーミングの3歳牡馬(父デュランダル、母シルクヴィーナス、川崎・河津裕昭厩舎)が、地方競馬に在籍のまま今春のクラシックに参戦できることを確実とした。

 京成杯(G3)の勝利がクラシックへのチケットとなったわけだが、'04年皐月賞2着のコスモバルク以来となる有力地方馬の中央挑戦に、関係者・ファンら多くの期待が集まっている。

 '04年当時、地方馬にとっては厳しい規定が存在した。コスモバルクはラジオたんぱ杯2歳S(G3)勝ちなどで賞金的には十分に資格を備えていながら「地方競馬所属馬はトライアルに出走して権利を得なければならない」というハードルがあり、弥生賞の1着で初めて皐月賞の権利を得た。ダービーはその皐月賞2着で出走資格を取得。もし5着以下なら青葉賞などのトライアルを挟んで優先権を得なければいけなかったわけで、一度たりとも凡走が許されない状況にあった。

ビッグレッドファーム所有の調教施設を最大限に活用。

 だが翌'05年、「1月1日以降の中央の芝の重賞で1着になれば」の一文が追加され、コスモバルクのクラシック挑戦から10年、プレイアンドリアルはその規定適用馬第一号となった。京成杯優勝が効いて、地方在籍のままでもJRAの馬と同等に賞金順の扱い。この先のダービーまで、余裕を持ったローテーションを組み立てることが可能になったのは大きい。

 オーナーはビッグレッドファームグループ総帥の岡田繁幸氏。地方在籍にこだわるのは、グループ所有の調教施設を最大限に活用して、トレセンの調教に頼らない馬造りを実践したいからだろう。コスモバルクの場合は道営競馬の田部和則厩舎所属を貫いたが、プレイアンドリアルはデビュー3戦目から川崎競馬の河津厩舎に変更されている。

 これは茨城県鉾田市に建設した調教施設の運用に自信を深めたことによるものと推測できる。社台グループを追走する使命を非常に分かりやすい形で表現しているわけだが、彼らが目指す外厩制度の推進は既存の調教師たちにとっては明確な「敵」でもある。

 決して良血馬とはいえない地方馬の星は、岡田総帥によると「前駆と後駆のバランスが抜群なので、父譲りの瞬発力が出せる」逸材だという。今年のクラシックを熱く盛り上げてくれそうだ。

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