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Wエースに中堅も充実の
日の丸男子短距離陣。
~加藤条治らがソチ五輪へ再始動~ 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/01/08 08:00

W杯帯広大会最終日の500mでリンクレコードを叩き出し、今季3勝目を挙げた加藤条治

W杯帯広大会最終日の500mでリンクレコードを叩き出し、今季3勝目を挙げた加藤条治

 バンクーバー五輪で銀と銅、2つのメダルを獲得したスピードスケート男子短距離陣が好調だ。

 シーズン開幕となった11月12日のW杯ヘーレンフェーン大会初日。男子500mで加藤条治が34秒85の好タイムで優勝すると、大会3日目の11月14日には長島圭一郎が優勝した。

 長島はバンクーバー五輪銀メダリストであり、加藤は銅メダルを獲得している。2人の次の目標はソチ五輪の金メダル。4年サイクルのスタートである今季は、オフの期間を例年より長く取るなどメリハリをつけながら調整しているが、そんな中でも変わらぬ高水準を保っているのはさすがとしか言いようがない。

 とりわけ絶好調なのは加藤だ。W杯開幕戦を制すると、第2戦ベルリン大会、第4戦帯広大会でも優勝を飾り、清水宏保、堀井学に続く3人目の通算10勝をマークした。第4戦終了時点でW杯総合ランキングのトップを走っている。

一発の速さだけでなく、安定性も身に付けた今季の加藤。

「今回の帯広大会など、ピンポイントで優勝を狙う試合以外はリラックスして臨むつもりだったけど、最初に勝ったので頑張っちゃっている」

 苦笑いを浮かべながらそう話す加藤だが、着実な成長を遂げているのは間違いない。昨季までの加藤は、一発の速さには定評があるものの、時には勝った次の試合で10位以下に沈むこともあるなど、波の大きい選手という印象が強かった。

 けれども今季は最低順位が6位と、変動が小さい。五輪は2レースの合計タイムで競われるだけに、現在の加藤のパフォーマンスには価値がある。

 ダブルエースに続く選手も伸びてきた。バンクーバー五輪17位の太田明生はW杯帯広大会で3位に入ったのを始め、8レース中7レースで一ケタ順位をマークしている。強敵の韓国勢が鳴りを潜めているのは不気味だが、加藤も長島もさほど気張らずに好成績を残しているのだから心配はないだろう。

 '84年サラエボ五輪から'10年バンクーバー五輪までの8大会中7回でメダルを獲得してきた日の丸男子短距離陣。シーズン後半に行なわれる世界スプリント選手権(1月、オランダ)や世界距離別選手権(3月、ドイツ)に狙いを定めて結果を出していくことが、強固な基盤のさらなるレベルアップにつながっていく。

■関連リンク► 【フォトギャラリー】 バンクーバー五輪で日本に初メダルをもたらした長島と加藤。
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