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内田篤人「俺は“つなぎたい派”」
チーム1の出場数とタッチ数の意味。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2014/01/30 10:50

内田篤人「俺は“つなぎたい派”」チーム1の出場数とタッチ数の意味。<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

攻守に奮闘し、後半36分までプレーした内田。だが、前半37分に警告を受けたため、残念ながら次戦は累積警告で出場することができない。

「俺は蹴りたくない。“つなぎたい派”だから」

 そして、もうひとつは前半9分のシーンだ。シャルケの右サイドの低い位置にボールが転がる。内田が拾いに行くと、それを奪おうと相手がプレッシャーをかけにきた。

 ディフェンダーとすれば簡単にクリアしてもおかしくはない。それでも、内田は大きく蹴ることはなかった。少し前にいたファルファンに短いパスを出して、そこからシャルケの攻撃が始まった。

「ファルファンに出したやつでしょ? クリアするのは簡単に出来る。でも、そこからつなぐのかどうか……。自分たちが深い位置にいてもせっかくファルファンという強い選手がいるんだから、上手くつないでいきたいよね。(クリアをするのと、味方に確実につなぐのとでは)全然違う。違うと思うというか、まぁ俺は蹴りたくない。“つなぎたい派”だから」

出場回数とボールタッチ数はともにチーム1位。

 何気ないふたつのシーンだが、ここに意味がある。

 シーズン前半戦を終えた時点でのシャルケの選手たちのボールタッチ数のランキングはこうなっていた。

1位 DF内田 1047回(16試合出場)
2位 MFノイシュタッター 843回(16試合出場)
3位 DFマティプ 809回(15試合出場)
4位 DFヘベデス 809回(14試合出場)
5位 DFアオゴ 701回(9試合出場)

 チーム1位の出場時間で、1試合平均のタッチ数が65回強。DFとはいえ、攻撃に変化をもたらすためのチャンスを圧倒的に多く手にしていることは疑いようがない。それは同時に、攻撃にアクセントを加える責任を内田も負っていることを意味する。

【次ページ】 最もボールに触れる内田が、攻撃でも発揮する影響力。

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