試合前には、チームメイトを激励する本田の姿が……。

　本田のアシストによって、約9カ月ぶりにリーグ戦での得点を挙げたパッツィーニは、試合後、息を弾ませて語った。

「自分にとっても、チームにとっても、重要すぎるゴールだった。皆が逆転してやろうという気持ちを強く持っていた。俺たちはもっとやれるはずだ」

　試合前のサンテリアのグラウンド通路で、入場を今かと待つミランの選手たちを一人ひとり、肩を叩きながら激励したのは、背番号10をつけた日本人MFだった。キックオフ直前にも、真摯に戦う地方クラブのように本田を含むミランのチーム全員が円陣を組んだ。

　本田のアシストがもたらした勝ち点3によって、ミランは9位に浮上した。EL出場圏内である5位インテルとの勝ち点差は5に縮まった。来週、8位のトリノを叩けば、さらなる希望が見えてくる。

　初アシストの1本だけでは、まだまだ物足りない。

　残る17節、イタリア中のDFとGKが本田の獲物だ。