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ミランを救う終了間際の初アシスト。
本田圭佑は“あきらめない日本人”。
 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byGetty Images

posted2014/01/27 11:50

ミランを救う終了間際の初アシスト。本田圭佑は“あきらめない日本人”。<Number Web> photograph by Getty Images

初のフル出場でチームを救う初アシストを見せた本田圭佑。ミランの命運は、本田率いる攻撃カルテットに託された。

試合後のセードルフが浮かべた、複雑な笑顔。

 5分のロスタイムの間には、敵陣コーナーでの攻防で右足首を削られる場面もあったが、気力で凌ぎきった。

 ミラン移籍後、初めてフル出場を果たした本田は足早に、クールに、ロッカールームに通じる通路へと消えた。

「見るに堪えないプレーもあったが、逆転勝ちできたことが嬉しい。この試合で見せたチームスピリットが、これからのベースになる。全員が全力を尽くさねば」

 試合後のセードルフ監督は複雑な笑顔を浮かべた。リーグ戦2連勝を挙げたとはいえ、セットプレーからの2得点は、自らのフィロソフィーが100%活かされた成果だとはいえない。

 彼がこだわる4-2-3-1と3大モットー、「Gioia(歓喜)、Entusiasmo(熱狂)、Allegria(陽気さ)」は、今から4年前にレオナルド元監督(前パリSGスポーツディレクター)が提唱したものだ。

 挑戦的な布陣は、新米監督レオナルドの指導力不足やFWロナウジーニョらによる即興性頼みが祟り、ダービーやCLといった大舞台で勝負弱さをさらけ出した。何よりセードルフ自身を含む選手たちが戦術の有効性へ疑問を持ち、ミランに4-2-3-1は結局根付かなかった。

「チームスピリットを見せろ」と選手を鼓舞。

 あれから月日が経ち、ミランの選手の顔ぶれは激変した。自らがチームを率いる立場となった今、セードルフは選手たちを「チームスピリットを見せろ」と鼓舞する。彼もまたチームの一体感を作り上げることに必死だ。

 次節トリノ戦には、累積警告によってFWバロテッリが欠場する。

 圧巻のFKで同点弾を決めたのはいいが、ゴール後の余興は余計だった。さんざん浴びた罵声へのお返しとばかりに、カリアリのサポーター席へ向かって悪童がお見舞いしたジェスチャーは“俺のモノを咥えやがれ!”。この下品で挑発的な侮辱行為を主審が見逃すはずもなく、バロテッリはあえなくイエローカードを頂戴したのだった。

【次ページ】 試合前には、チームメイトを激励する本田の姿が……。

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