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6年振りの復帰を目指す、
名左腕マルダーの心意気。
~イチローの好敵手、再びMLBへ~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2014/01/27 06:10

6年振りの復帰を目指す、名左腕マルダーの心意気。~イチローの好敵手、再びMLBへ~<Number Web> photograph by Getty Images

 2000年代前半、アスレチックスの左腕エースとして活躍したマーク・マルダーが、エンゼルスとマイナー契約を交わした。野球界に限らず、「セカンド・チャンス」に寛容な米国社会でも、マルダーのような現役復帰は極めて珍しく、カージナルスに在籍した'08年、左肩痛で戦列を離れて以来、実に6年ぶりの実戦マウンドを目指す36歳の心意気は、米球界でも一躍話題となった。

 '98年のドラフト1巡目(全体2位)でアスレチックス入りしたマルダーは、順調に頭角を現し、'01年にリーグ最多となる21勝を挙げるなど、押しも押されもせぬリーグ屈指の先発投手として名をはせた。当時、ハドソン、ジトとの3本柱はメジャー最高トリオと言われ、同じア・リーグ西地区でしのぎを削るマリナーズ・イチローの好敵手として、日本でも知られる存在となった。

 その後、'05年まで5年連続で15勝以上を挙げるなど、順風満帆な野球生活は続いた。ところが、'06年6月15日にメジャー通算103勝目をマークした後は、左肩痛に悩まされ、勝ち星から見離された。'07年からは2年連続未勝利。'08年はわずか3試合に登板しただけで、メジャー球界から姿を消した。

エンゼルスは異例ともいえる好待遇で迎え入れた。

 その後、一時はプロゴルファーを目指した一方で、スポーツ専門局ESPNのゲスト解説者として歯切れの良いコメントを残すなど、野球界との接点は持ち続けていた。だが、彼の心の奥底では現役への意欲は消えていなかった。昨年11月には、アリゾナ州内で未公開のトライアウトを実施。ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスなどが興味を示す中、開幕メジャー入りを条件とする年俸100万ドル(約1億円)、さらに、年間を通してローテーションを守ると、最大のインセンティブで600万ドルとなる好条件を提示したエンゼルス入りが決まった。

 近年では、引退表明後にクレメンス、ペティット(ヤンキース)らが復帰した例があるものの、6年ぶりとなる選手に好条件を提示したケースは希有と言っていい。だからこそ、今後、マルダーがメジャー復帰を果たせば、不慮の故障などの理由で、志半ばで引退した選手に復帰への道が開ける可能性も広がる。選手寿命の定説を再考させる意味でも、マルダーの動向は注目を集めそうだ。

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