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<脳梗塞から復帰した指揮官の決意> エディ・ジョーンズ 「ジャパンの道を信じる勇気があるか」 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2014/01/24 06:10

<脳梗塞から復帰した指揮官の決意> エディ・ジョーンズ 「ジャパンの道を信じる勇気があるか」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa
突然の病から3カ月。待ちに待ったカムバックだ。オールブラックス戦、
欧州遠征――ジャパンの秋の戦いを、復帰間もない指揮官が総括する。

 帰ってきた指揮官は早口で、2013年の戦いを振り返った。

「ニュージーランド(NZ)やスコットランドと戦うことは、我々にとって、階段を1段飛ばしで跳び上がるようなものでした。少しでも足を踏み外せば落っこちてしまう」

 脳梗塞からの復帰会見から1カ月弱の某日。日本代表のエディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、以前と変わらない元気な足取りでインタビュー室に現れると、いつものようにいきなり熱い言葉を吐き出した。

「それでもNZには30分間、スコットランドには50分間、対等に戦うことができた。ジャパンが進歩するためには、こういうハイレベルの相手と戦い続けていかなければならない」

「南アフリカに勝つための準備をしなければならない」

エディ・ジョーンズ Eddie Jones
1960年1月30日、豪州生まれ。豪州代表HCとして'03年W杯準優勝。'07年W杯では南ア代表アドバイザーを務め、世界一を経験。'12年はサントリーのGM兼監督としてトップリーグ制覇と日本選手権連覇を果たした。'12年4月から日本代表HC。契約は'15年W杯まで。

 6月には来日したウェールズ代表との第2戦に23-8で勝利。世界の強豪国から歴史的なテストマッチ初勝利をあげた日本代表だったが、ショッキングなニュースが待っていた。10月15日に、エディHCが「軽度の脳梗塞」で入院。11月2日のNZ来日戦から始まる秋のテストマッチシリーズは、指揮権をスコット・ワイズマンテル代行に託した。

 NZには6-54で大敗したが、前半25分までは6-7と拮抗。スクラムで相手ボールを奪う場面もあった。翌日には欧州へ飛び、'15年W杯で対戦するスコットランドと対戦。17-42で敗れたが、後半14分まで2度にわたって1点差に肉薄。敵地の観衆を沈黙させた。ティア1と呼ばれる世界の強豪と年間4戦もしたのは日本ラグビー史上初めてのことだった。

「過去20年、W杯で1勝もしていない日本が、世界の上位国に割って入る。最低でも6年はかかる難しい仕事を、我々は4年でやろうとしていて、もう2年が過ぎた。残り時間は2年もないのだから、ターボをオンにしなければならない。何しろ、'15年のW杯で準々決勝に進むには、南アフリカに勝つ必要がある。世界一フィジカルの強い相手に勝つための準備をしなければならないのです」

 '15年W杯では初戦で南アフリカと、次は中3日の強行軍でスコットランドと対戦。B組上位の2カ国と戦ったあとは、中9日でサモアと、最後は中7日で北米2位(米国が濃厚)と対戦するのだが……これまで目標を「'15年W杯で世界のトップ10に入る」と言い続けてきたエディが、「準々決勝」と口にした。エディは目標を上方修正したのか?

【次ページ】 準々決勝に進出すれば、自動的にトップ10入りとなる!

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