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「谷繁さんは横浜に必要だった」――。
恒例・もつ鍋わたりの2013年大総括! 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHidenobu Murase

posted2013/12/28 08:01

「谷繁さんは横浜に必要だった」――。恒例・もつ鍋わたりの2013年大総括!<Number Web> photograph by Hidenobu Murase

Number Webでは写真初掲載となる中野渡氏。「もつ鍋 わたり」の年末営業は12月30日まで。

「横浜は土下座してでも谷繁さんに……」

―― ……なるほど。ドラゴンズ、また強くなりそうですね。しかし、横浜からデニーさん、波留さん、元横浜の佐伯さんらをコーチに就任させたのは、どういう考えがあってだと思いますか?

「俺がそれを聞いた時に思ったのは、『うわっ、滅茶苦茶やらせんだろうな』って。ただそれだけ。報道じゃ谷繁さんが横浜時代の優勝メンバーを集めたとかどうこうって言われているけどよ、そんなの何にも考えてないだろ。現役時代、自分に厳しかった人を集めて、とにかく練習を滅茶苦茶やらせるためだけの人事だろ。この人らは弱いところからコツコツ努力して勝ちたい、強くなりたいという思いから優勝したメンバーだからな。黙っていてもやらせるだろ。高木さんの2年間でゆるくなっちまった練習も含め、もう一度強くなるためにな」

――しかし、なんでしょうか。横浜側としては中日に持ってかれた感が拭えません。

「俺は何度も言って来たけどよ、谷繁さんみたいに誰よりも負けず嫌いで、誰よりも自分がやっている人、打たれた責任、負けた責任のケツを持てる人ってのは、弱くなっちまったチームを立て直すには適任。遅かれ早かれ監督をやる人だったんだよな。まぁ、結局よ、腹を据えて決断したかどうかだって。中日みたいな地方の人気球団がFAで来た外様の選手を監督に、しかもプレイングマネージャーに抜擢したって決断は球団改革をしなければいけないという危機感の表れ。横浜は土下座してでも谷繁さんに戻ってきてもらうべきだったけど……もう遅ぇよな」

――来年、谷繁さんはどんな野球をやると思われますか?

「当たり前のことを当たり前にやる野球だろ。派手なプレーなんていらない。アイドル選手もいらない。相手が嫌がる負けない野球。ただそれだけだって。監督としては若くて経験がないっていうけどよ、選手として野村さんの次に出場してんだから、これ以上の経験はねぇだろ。厳しい野球になることは間違いねぇけどよ、落合さんともまた違った野球になるんじゃねえの。キャンプ中の練習も声が出て明るくやってたみてぇだし、やることはやって結果が出れば仲間でわいわいできるような感じにしたいんじゃねぇか。それにお客さんの声が選手にとって大きなモチベーションになるってことを知ってるからな。客を取り戻すための方針もいろいろやるんじゃねえかな」

「谷繁さんの采配含めた野球が一番楽しみだな」

――ドラゴンズ、またしても強くなりそうですね。それでは最後に来年の展望をお願いします。

「谷繁さんの采配含めどういう野球をやるか。それが一番楽しみだな。1年目から劇的な変化はないかもしれないけど、監督の任期の間にどういう形を作って行くのか。選手としても最初はぐいぐいレギュラーでいくだろうけど、後継者として誰を指名し、どう継承していくのか。楽しみじゃねぇか。俺にとって谷繁さんは男にも投手にもしてくれた恩人。来年は、何があっても谷繁さんを応援するよ。それを上回れる存在は……息子にシカトされてる根元のお父さんだけだな」

――ありがとうございました。新年の営業は6日からです。

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