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3割打っても容赦なし!
鷹の1番・中村晃の正念場。
~内川らとの競争に打ち克て!~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/01/06 06:00

帝京高時代は2年夏から4番に座り、3季連続の甲子園出場。高校通算60本塁打を放った。

帝京高時代は2年夏から4番に座り、3季連続の甲子園出場。高校通算60本塁打を放った。

 昨シーズン、チーム打率リーグ1位ながらクライマックスシリーズ進出を逃したソフトバンクは今オフ、王貞治球団会長の言葉通り「現場が言い訳ができないような補強」を行なった。

 たとえば秋山幸二監督が昨季合格点を与えた一人に、一塁を守ることも多く、打率3割7厘、5本塁打、出塁率は3割9分2厘と、1番打者として申し分のない成績を残した中村晃がいる。帝京高時代から素質は注目されていたが、プロ6年目にしてようやく結果を残した男だ。だが、その中村にすら来季の定位置は保証されていない。

 オリックスから、昨季3割をマークし、2年連続24本塁打を放った李大浩を獲得。また、キューバ出身でメキシカンリーグの元首位打者・カニザレスも加入。2年目を迎えるラヘアも、日本野球に馴れればブレイクの可能性を秘める。加えて元三冠王の松中信彦に、一塁にコンバートされる吉村裕基と、5人のライバルが正一塁手を争うことになるため、中村は秋季練習で外野に固定された。

現役時代にライバルとの競争に勝った秋山監督の親心。

 だがその外野には、6年連続3割を打っている内川聖一、昨季198安打を放ち首位打者に輝いた長谷川勇也、大砲として期待される4年目の柳田悠岐らがいて、簡単にはポジションを与えてもらえない。二軍でも一軍でも結果を残し続けてポジションを勝ち取った自負のある中村とすれば、首を傾げたくなるかもしれない。だが、秋山監督は平然と言う。

「シーズンが終われば一から。その時一番良い選手を使うだけで、余分なことは考えていない。良いか、悪いかだけ」

 中村に、この親心がわかるだろうか。王会長も秋山監督も、現役時代にライバルと競い合うことで緊張感が保たれ、選手生命が伸びたことを自認している。特に秋山監督は三塁から外野にコンバートされたことで、野球の考え方に幅が出来たという。中村は結果を出したからこそ、厳しい緊張感の中で這い上がって来られる選手と評価されているのだ。

 補強は野手だけに留まらない。全ポジションで既存の戦力と競わせながら、強化を図ろうとしている。これを“巨人化”と言う人もいるが、「チーム内の競争に勝ってこそ、他チームに勝てる」と2人のチーム首脳の信念が一致している'14年のソフトバンクは要注意の存在だ。

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