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2013年は大転換点?
魅力的統一戦が未来を創る。
~ボクシング「4団体加盟」の功罪~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byBOXING BEAT

posted2013/12/29 08:00

2013年は大転換点?魅力的統一戦が未来を創る。~ボクシング「4団体加盟」の功罪~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

12月3日の統一王座戦で「波乱」を生み出した亀田大毅。王者乱立への疑問を加速させた。

 2013年は日本のボクシング史の大きなターニング・ポイントだった――あとで振り返るとそんな年だったのかもしれない。

 この1年、確かに数字の上でボクシング界は賑やかだった。日本人現役世界チャンピオンは男子だけで10人に達し、国内最多記録を更新。さらに日本人の出場した世界タイトル戦(暫定除く)は、年末の3試合も含めて年間35度と、これも最多記録(昨年は24度)だ。亀田興毅・大毅・和毅の3兄弟が同時に世界タイトルを手にし、こちらは世界的にも例のない記録としてギネスブックにも認定された。

 他にも、48年ぶりの五輪金メダリスト・村田諒太が鳴り物入りでプロ転向、藤本京太郎が56年ぶり2代目の日本ヘビー級王者になるなど話題にこと欠かなかった。

 しかし、'13年が「歴史的な年」となったのは、こうした数字的な意味からではない。これまでWBAとWBCしか認めなかった日本が、新たにIBFとWBOの2団体にも加盟し、計4団体の世界タイトル戦が可能になった。これこそがボクシング界の今後の行方を左右する重要な出来事だったように思える。

統一戦に臨んだ大毅の「負けても王座防衛」という皮肉。

 世界チャンピオンを認定する主要4団体(皮肉を込めてアルファベット団体ともいう)への加盟には当然デメリットもある。世界王者がこう何人もいては有難みも薄れる。特に一時のバンタム級のように4団体中3団体を、山中慎介、亀田興毅、和毅と日本人王者が占めるとなれば(興毅はS・フライ級に転向し、王座返上)、誰が一番強いのか統一戦でハッキリさせろという声も当然出てくる。

 亀田大毅がS・フライ級の統一戦に臨んだのは、一部に根強い「亀田家は勝てる相手としか戦わない」との悪評を一掃しようとしたものなのかもしれない。だが、相手のWBA王者リボリオ・ソリスが計量失格でタイトルを剥奪され、しかも大毅はそんな相手に判定負け。混乱の中で「負けても王座防衛」という珍記録を作ったのは皮肉な結果だった。

 大晦日には、内山高志と三浦隆司の正統派の2王者が同じリングで防衛戦を予定。2人が勝てば、来春にもチャンピオン同士の統一戦を行なう計画だ。日本の「4団体加盟」にも意義があったのか。その答えは今後も魅力的な統一戦を実現していけるかどうかにかかっている。

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