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ベストアワードで振り返る、
ベッテル圧勝の2013年。
~今宮純が選ぶF1トピックス~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2013/12/23 08:00

ベストアワードで振り返る、ベッテル圧勝の2013年。~今宮純が選ぶF1トピックス~<Number Web> photograph by Getty Images

圧倒的な強さで4年連続となる年間王者を獲得したベッテル。レッドブルRB9を巧みに操るなど、ドライビングテクニックはいまだ成長中だ。

 最終戦ブラジルGPで今季13勝目、年間最多9連勝の偉業を成し遂げたS・ベッテル。26歳の王者はパドックで放心した表情を見せた。疲労の中で、勝ち続けてゴールした安堵感、達成感、解放感を噛み締めているようだった。

 シーズンは、開幕戦PPを決めながら、予選7位のK・ライコネンに逆転を喫する屈辱から始まった。敗因は新ピレリとのマッチング。一発の速さで圧倒するレッドブルRB9もロングランでロータス、フェラーリの後塵を拝した。この課題にスタッフは最適セットアップを再構築。その分岐点が前半カナダGP(タイヤ研究)と後半ベルギーGP(空力性能変更)、シンガポールGP(アップデート投入)だった。スタッフの開発ワークに呼応し、ベッテルはドライビングの自己修正に励んだ。そうした地道な努力が早期V決定、連戦連勝につながったのである。

 今季でF1を去るM・ウェバーには37歳オージーの男気を見た。ラストラン2位(最速ラップ)は“旧世代”の見事な引き際だ。一方、時代は拝金主義が強まり、新人に“持ち込みスポンサー”が求められるようになった。しかし、ウイリアムズはV・ボッタスを実力主義で抜擢。自己最高の予選3位、決勝8位は失敗作マシンでの秀逸な結果だ。

ベストマシンはライバルを圧倒したレッドブルRB9。

 ザウバーで10戦入賞のN・ヒュルケンベルグに敢闘賞、昨年から“27戦連続入賞”のライコネンに技能賞、「走らぬ跳ね馬」に鞭打ち2位獲得のF・アロンソに殊勲賞を送りたい。共通するのは捨て鉢なミスがなく、オーバーテイクの醍醐味を演じたこと。また、昨年再三つまらぬミスで事故を引き起こしたR・グロジャンがメンタル面で成長し、本来のスピードを結果につなげたことも評価できる。

 ダイナミック・ダウンフォースでライバルを圧倒したレッドブルRB9はA・ニューウェイの「脳力」だ。'06年から最強エンジンの名をほしいままにしたルノーが2400cc最終年も制覇。公称750馬力パワーとその総合性能が光り、新規定'14年への準備を着々と進めている。

 最後にスポーツイベントとして関係者にあらためて賞賛された鈴鹿・日本GPと、テキサス州オースティン・アメリカGPの観客11万人の陽気な声援ぶりも讃えたい。理屈抜きに彼らはスポーツ・エンターテインメントを堪能していた。

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