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オッズで見るW杯組合せの“死地度”。
日本のGL突破2.25倍は高い? 低い? 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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posted2013/12/11 16:30

オッズで見るW杯組合せの“死地度”。日本のGL突破2.25倍は高い? 低い?<Number Web> photograph by AP/AFLO

コンフェデ杯の時にも懸念された反対デモを避けるため、リゾート地コスタドサウイペで行なわれた抽選会。本大会までに諸問題は解決されるのか。

日本の対戦相手は楽ではない、がチャンスはある。

 最後に日本のいるCグループを見てみよう。オッズはコロンビア:1.22倍、コートジボワール:2倍、日本:2.25倍、ギリシャ:2.87倍となっている。ことギリシャと日本の関係についていえば、やはりFIFAランキングは完全に無視されている。これらの数字が日本に示唆するのは「格付け的には現時点では3番手だが、各チームのオッズは接近しており、グループを勝ち抜けるチャンスも十分にある」という事実だ。

 ただし油断は禁物だろう。抽選結果が判明した後、日本国内ではグループリーグを突破して当然という意見が多く聞かれるようになった。だがコートジボワールやギリシャでも、自分たちがくじ運に恵まれたという声が出ているであろうことは容易に想像できる。

 その意味で長谷部誠などが「どの組に入っても厳しかった」「(対戦相手に付いても)軽はずみなことは言えない」と気を引き締めた発言をしているのは正しい。日本代表の鍵を握るのは、慎重さと大胆さを両立させることだ。無駄に臆する必要はないが慢心もせず、僅差の戦いを制していかなければならない。

 それができれば、日本は決勝トーナメントの1回戦で、冒頭で触れたグループDのチームと当たる。むろん組み合わせは、日本の通過順位とグループDの成績によって変わってくるが、どの対戦カードが実現しても面白い。

 ウルグアイとは今年の8月にキリンチャレンジカップで戦った。結果は2-4で破れたが、一度、手合わせしているのは日本にとってプラスにもなる。イタリアと当たるのは、ザッケローニ監督自身が望んでいるシナリオかもしれない。相手の出方は知り尽くしているし、自分が日本でこれまで積み重ねてきたものを見せつけようとするはずだ。イングランドとは通算して2敗1分けの成績になるとはいえ、相性は決して悪くない。日本は南ア大会の直前に行なわれた親善試合で大健闘したし、本大会に向けてはずみをつけるきっかけにもなった。

 仮に決勝トーナメントの1回戦で日本と対戦することになれば、イングランドは一転して楽観論に包まれるだろう。そこで日本が番狂わせを演じれば、これほど痛快なことはない。オッズを付けたブックメーカーは、きっと頭を抱えてしまうだろうが。

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