KEIBA VISIONBACK NUMBER

『日高の新しい父』エンパイアメーカー産駒の未来~ユニオンオーナーズクラブ所属先行募集馬1~ 

text by

PROFILE

posted2013/12/05 19:15

『日高の新しい父』エンパイアメーカー産駒の未来~ユニオンオーナーズクラブ所属先行募集馬1~<Number Web>

今年のG1レースも残りわずかとなりました。
この時期は、師走といういかにも忙しそうな二文字が、競馬のファイナルであることを合わせてアナウンスしています。1日の早さにかけては、12月が一番短く感じ、だからこそ名残惜しくゆっくりと競馬を楽しみたいのですが、気がつけば有馬記念だったという締めくくりになるでしょう。
G1優勝馬を記した私の手帳には、2月のフェブラリーステークスのグレープブランデ―からはじまり、桜花賞はアユサン、日本ダービーはキズナと、馬名を見ただけで感動のゴールシーンが蘇ってきます。これが記憶のスポーツだといわれる競馬の真髄なのですね。

競馬新聞などの出走表で様々な願いや愛着を込めてつけられた競走馬名の横には、我が子を守るように両親の名前が記され、とくに父の名は、常に睨みを利かせ大きな影響力を誇示しているように光り輝いています。

マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ハーツクライ、そしてディープインパクトと、今年もSS系といわれる大種牡馬サンデーサイレンス産駒たちが父となって活躍した1年でした。アメリカ産のサンデーサイレンスが日本の競馬界に大きな功績を与えたこともあり、近年は外国産の種牡馬が多数輸入されるようになりました。

その中でも、2011年から日本軽種馬協会静内種馬場で供用されているエンパイアメーカー(父アンブライドルド、母トゥサード、母の父エルグランセニョール。米国産・黒鹿毛13歳。2003年ベルモントS(G1)、2003年フロリダダービー(G1)、ウッドメモリアルS(G1)などを優勝)は、外国産馬で重賞2勝をあげているフェデラリストやダート戦線で活躍しているイジゲンなど、早くから実力馬を輩出。勝ち上がり率の高さで注目を集め、今年の交配頭数は192頭と人気を誇っています。

『日高の新しい父』になるべく輸入され、市場では高値で取引きされるエンパイアメーカー産駒の中に、父と同じ黒鹿毛で、銀杏の葉の形のようなかわいらしい流星(顔にある白い模様)を持つユニオンオーナーズクラブの先行募集馬1(牡・4月11日 岩見牧場生産。関東・上原博之厩舎入厩予定)をご紹介しましょう。

立ち姿写真をみても、骨量豊富な父にとてもよく似ています。今年行われたオータムセールでもひときわ目立つ好馬体は、購買者から高い評価を受け、セリでは最高価格となりました。

母は米国4勝をあげたオーサムチャーム。母系は生粋のアメリカ血統で、ブリーダーズカップ・クラシック優勝馬オーサムアゲインの産駒にあたります。

本馬は、今年生まれた当歳馬とは思えないほど大きく発達したトモや、力強い首さしを持ち、両親がアメリカ産馬であることを馬体で表現するパワフルな印象があります。血統的にもダートの中距離あたりで活躍が期待できることはもちろん、国内外ではすでに芝やオールウェザーなどでも適正を示しG1馬を多く出していることから、走る場所や距離を選ぶことはないでしょう。

来年はエンパイアメーカーの本邦初年度産駒がデビューします。
米国リーディングサイアーにも輝いた父の底力を受け継ぐ本馬は、大きな期待を背負ってもなお余裕のある馬体です。本馬には、もっとスケールの大きな夢を見てもよいのかもしれませんね。

-------------------
プロフィール
上坂由香(エッセイスト)

札幌市生まれ
初めて買った馬券が的中し(ウオッカの日本ダービーで馬単)ビギナーズラックが実在すると身をもって証明。
38歳から乗馬もはじめ馬産地や牧場・乗馬クラブを訪ねては馬と戯れ馬に乗る。
「夜間放牧」と称して飲み歩き知らないおじさんと競馬の話をするのが好き。

第6回Gallopエッセイ大賞受賞
週刊Gallop「競馬の流儀」リレーコラムを連載中
道新オントナWebコラム連載中

JBIS-Searchと競走馬ふるさと案内所とのコラボ企画、競馬女子部として活動中
競馬女子部ブログ→http://girls.jbis.or.jp/

関連キーワード

ページトップ