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最後のJCダートにGI馬9頭集結。
人馬ともに復活の“希望”を買いたい。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2013/11/30 08:01

最後のJCダートにGI馬9頭集結。人馬ともに復活の“希望”を買いたい。<Number Web> photograph by Kyodo News

復活の南部杯につづき、JBCスプリントも制したエスポワールシチーと後藤浩輝。GI最多勝利記録となる10勝目を飾ることができるだろうか。

驚異のスピード、パンツオンファイア。

 3歳時にGIIのルイジアナダービーを勝ち、ケンタッキーダービーで2番人気に支持され9着となった。今回が初の海外遠征だが、芝並みの速い時計が出るアメリカのダートで楽に先行するだけのスピードは脅威だ。重賞4勝の実績から馬券にからんでも不思議ではないのだが、初の右回りで、真ん中より外の10番枠を引いてしまった。今回は掲示板までか。

 久々の外国馬で、しかも1頭だけ、おまけにユニークな馬名ということで、一部で結構注目されている。「Pants On Fire」には、文字どおり「パンツに火がつく」、つまり「慌てる」のほか、「嘘つき」の意味もあるという。

リピーターが活躍するJCD、今年はあの馬か……。

 先週のジャパンカップは、ジェンティルドンナによる初の連覇で幕をとじた。

 こちらは過去にトランセンドが連覇('10、'11年)したほか、カネヒキリが'05年と'08年に勝ち、今年も出ているワンダーアキュートら3頭が2年連続2着になるなど、「リピーター」の活躍が目立つ。よく言えば、近年のダート戦線では「強い馬が長く力を発揮している」ということになるのだが、悪く言えば、「上位グループのメンバーがほぼ固定されて、そのなかで勝ったり負けたりを繰り返している」と見ることもできる。

 今年も、枠順の有利不利や展開ひとつで着順が変わってきそうなほど、上位数頭の力が接近している。

 となると、好調を維持しつつ、1コーナーまでの距離が短いこのコースで有利な内枠を引いた逃げ、先行馬でもいるといいのだが……、いたいた。

 4年前の勝ち馬、エスポワールシチー(牡8歳、父ゴールドアリュール、栗東・安達昭夫厩舎)だ。GIを連勝中の古豪が、絶好の4番枠を引いた。頸椎と頭蓋骨の骨折のため1年ほど治療とリハビリに専念していた後藤浩輝にとって、この馬で勝った南部杯が復帰後初のGI制覇となった。そのときはエスポ自身も休み明けで、休養前は4連敗していただけに、人馬が揃って「復活」した、という印象がある。8歳だが、衰えはない。

【次ページ】 ここまで盤石のホッコータルマエに死角は?

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