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巧者イグオダラが放つ、
“非エース”ゆえの輝き。
~NBA屈指のユーティリティー~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/11/30 08:00

巧者イグオダラが放つ、“非エース”ゆえの輝き。~NBA屈指のユーティリティー~<Number Web> photograph by Getty Images

サンダー戦にて、終了と同時に逆転のブザービーターを決めベンチに駆け寄るイグオダラ(左)。

 アンドレ・イグオダラ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、正直言って、つかみどころがない選手だ。

 才能はある。NBAオールスターに選ばれたことがあり、アメリカ代表としても、'10年トルコ世界選手権と'12年ロンドン五輪で金メダル獲得に貢献している。

 その一方で、飛び抜けたスタッツは残しておらず、どんな選手なのか一言で説明するのが難しい。エースとしては期待外れかもしれないが、チーム最多得点を取ったり、時に決勝シュートを沈めることができる。ポイントガードではないが、ポイントガード並のハンドリング力でボール運びやアシストを出すこともできる。リバウンド王になることはないが、ビッグマンに混じってリバウンドを取ることもできる。リーグMVPに選ばれることはないが、MVP級の選手を平均以下に抑えるだけのディフェンス力がある。100点満点のスキルは持っていないかもしれないが、85点以上のスキルは誰よりも多く持っている。

イグオダラの加入でウォリアーズは優勝を狙える位置に。

 ウォリアーズのヘッドコーチ、マーク・ジャクソンは言う。

「彼にエースとしての期待をしていた人たちは、彼の能力を理解していなかったのだと思う。エースの役割を求めたら、彼の存在価値はほとんどなくなってしまう。多くのことをとてもうまくやり、周りを生かすのが得意な選手なんだ」

 イグオダラにとってもウォリアーズにとっても好運なことに、今のウォリアーズは彼にエースとしての役割を求める必要はない。ステファン・カリーやクレイ・トンプソンら、高いシュート能力を持つ若手ガード陣がその役割を担っている。

 イグオダラの役割は、チームに足りないことを少しずつ補うこと。相手エースに対するディフェンスはもちろん、時にボールハンドリング役を受け持ってカリーの負担を減らしたり、時に外からシュートを決めたりと、まるで万能のスイスアーミーナイフのように、その時々に必要な能力を発揮。それによって周りの選手もさらに輝くことができるのだ。彼の加入で、ウォリアーズが本格的に優勝候補に名乗りをあげたとみる専門家も多い。

 イグオダラは言う。

「このチームのみんなと共にプレーするのは大好きだ。楽しいシーズンを送ることができそうだ」

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