全てを賭けた6分のアディショナルタイム。

　3つの会場で試合終了を告げるホイッスルが鳴り響く中、6分のアディショナルタイムが表示された「鳥取vs.千葉」では千葉の猛攻が続いていた。

　千葉が後方からロングボールを放り込む。ケンペスに体を寄せた鳥取のDFが見事に競り勝ち、これをヘディングで跳ね返す。ペナルティエリアの外、ゴール正面にボールがこぼれ、鳥取守備陣の足が一瞬止まった。弾んで転がってくるボールを待ち構えていたのは、千葉のMF兵働昭弘だった。92分、ペナルティエリア外から放った豪快なボレーシュートが鳥取ゴールに突き刺さった。

　土壇場ゴールで2－2のドローに持ち込んだ千葉が、勝点1を獲得。試合前から「引き分け以上でプレーオフ出場」が確定していたため、選手たちは緊張感から解放されて喜びを爆発させた。

＜最終順位＞

3位　京都／勝点70
4位　徳島／勝点67
5位　千葉／勝点66（得失点差＋19）
6位　長崎／勝点66（得失点差＋8）
----------------------------
7位　松本／勝点66（得失点差0）
8位　札幌／勝点64

　導入2年目のJ1昇格プレーオフ。出場チームは京都、徳島、千葉、長崎の4チームに決まった。

　12月1日の準決勝は、「3位vs.6位（3位のホーム）」「4位vs.5位（4位のホーム）」という対戦カードで行なわれるため、「京都vs.長崎」「徳島vs.千葉」となる。一戦のみのノックアウト方式で、準決勝の勝者は12月8日に国立競技場で行なわれる決勝に進出。勝者が残り1枠のJ1昇格枠を獲得する。

【次ページ】　今年も下剋上は起こるのだろうか。