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ついに定番コンビの牙城が崩れた!?
ボランチの序列を塗り替えた山口蛍。 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/11/22 16:30

ついに定番コンビの牙城が崩れた!?ボランチの序列を塗り替えた山口蛍。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

すでに欧州のクラブが獲得に興味を示しているという報道が出ている山口。この勢いを駆ってザックジャパンの起爆剤となるか!?

 自他ともに認める“人見知り”の新鋭ボランチが「予想していなかった」と言ったのは、これが二度目だった。

 一度目は代表初選出となった東アジアカップ。

 優勝してMVPに選ばれたものの、「誰が見ても(3得点の柿谷)曜一朗くんだと思うのに、俺でいいんかな」と照れ臭そうに苦笑いしていたのは7月のことだ。

 二度目は、11月16日のオランダ戦だ。東アジアカップの活躍でサバイバルに成功し、代表に定着した山口蛍は、海外組に合流してから初めて先発を果たした。

 海外組と初合流した8月のウルグアイ戦から、10月の東欧2連戦までの5試合で、山口は3試合に出場していたが、いずれも途中からだった。プレータイムも合計44分と短く、ゴールを決めるような派手な仕事をしたわけでもない。遠征メンバーには招集歴の長い細貝萌や高橋秀人もいる。

 そういった中、「長谷部誠&遠藤保仁」という不動のダブルボランチの一角に割って入ったのが「予想外だった」のは自然なことだろう。

 ただ、先発に抜擢されたこと以上に新鮮だったのは、アルベルト・ザッケローニ監督が彼に与えたチャンスの内容だ。

 山口は前半は長谷部と、そして後半は遠藤と、それぞれ45分間プレーした。組み合わせの適性を試しつつ、しかもそれぞれとのコンビネーションを高めさせたいという指揮官の意図が見て取れた。

オランダ戦で見せた、緊張感と適応能力の高さ。

 キックオフ。

 様子見をしながら試合に入った感のあるオランダに対し、日本は立ち上がりから攻勢に出た。山口もその流れに乗った。

 5分、左サイドの清武弘嗣の折り返しのパスがDFに当たってこぼれてきたところに詰めて右シュート。ファンデルファールトの必死のスライディングが視界に入ったのか、シュートは枠外へそれた。

 後ろからつなごうとする日本に対し、オランダが圧力を掛けてきた11分には、山口のバックパスが相手に奪われるピンチ。次第に形勢が悪くなった日本は、守備のミスから前半13分にファンデルファールトに先制を許すと、同39分にはアリエン・ロッベンにも得意の左足シュートを決められ、0-2とされてしまう。

「試合前、(長友)佑都くんから『思い切ってやれ。前につぶしにいくプレーをどんどん出せ』と声をかけてもらって、少し楽になった」という山口だが、やはり緊張は隠せなかった。それでも時間を追うごとに、チームにフィットしていった。

【次ページ】 長谷部と遠藤という異なるタイプでも、見事に連係。

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