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グリンキーとヤング・ブルワーズ。
~小球団がMLB屈指の大物獲得!!~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2011/01/01 08:00

グリンキーとヤング・ブルワーズ。~小球団がMLB屈指の大物獲得!!~<Number Web> photograph by Getty Images

2006年には社会不安障害と診断されながら見事に立ち直った2009年サイヤング賞投手

若き先発陣と打線の破壊力が噛み合えば地区優勝も!?

 そこで獲得したのが、ショーン・マーカム(元ブルージェイズ)とグリンキーである。

 マーカムは、過去3年で34勝をあげている堅実な投手だ。グリンキーも過去3年で39勝。このふたりに加えて、この2年間で27勝を稼いだ24歳のヨバニ・ガヤルド、過去3年で36勝のランディ・ウルフ、今季12勝をあげたクリス・ナーヴェソンがいる。ウルフ以外は、全員が20代と若い。

 フィリーズやジャイアンツと肩を並べるまでは行かないだろうが、これはなかなか魅力的な先発陣ではないか。ここに先ほども触れた破壊力のある打線が噛み合えば、2011年のブルワーズが黒馬的な存在として浮上する可能性はけっして低くない。少なくとも、レヴェルのあまり高くないナ・リーグ中地区では、地区優勝の4文字もかなり現実性を帯びてくるのではないか。

伸び盛りのグリンキーが2011年のブルワーズを左右する。

 そのためにはやはり、グリンキーの実力発揮が求められる。

 性格が神経質な点は問題だが、グリンキーのしなやかさと投球術は大リーグ屈指といっても過言ではない。27歳という年齢も、まだまだ伸び盛りだ。ロイヤルズには気の毒だが、こういうトレード劇を見たあとでは、やはりブルワーズに肩入れしたくなる。寒い町の地味な球団が2011年のナ・リーグに旋風を巻き起こしてくれることを、私は期待している。

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ザック・グリンキー
ミルウォーキー・ブルワーズ

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