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史上初3階級制覇と言うけれど……。
亀田興毅を手放しで祝福できぬ理由。 

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photograph byYusuke Nakanishi/AFLO

心揺さぶられる試合を亀田兄弟は実現できるのか?

 そういう意味で、亀田家は絶妙なマッチメークで現在の地位を築いたと言えるだろう。王座決定戦をうまく活用したのもしかり。若くてパワフルでパンチのあるボクサーを慎重に避け、技巧があっても非力だとか、名前があっても峠を過ぎている対戦相手を選んできたのは、ある意味で賢かった。

 ただ、そのような手法でタイトルを獲得できたとしても、互いの技巧と力がぶつかり合い、見ている者が手に汗を握り、心を激しく揺さぶられるような試合は、とても実現できない。3階級制覇という偉業のかかった試合にもかかわらず、この日の会場・さいたまスーパーアリーナはかなり空席が目立った。ファンに訴えかけるだけの試合ではなかったのだ。

 試合後の興毅は声を弾ませていた。

「今日は次のステップにむけて重要な試合になったと思う。もっと練習して、いろいろな国をまわって、いろいろな選手から吸収して強くなっていきたい。そしてもっとビッグファイトをして、もっといい試合を見せられるようにがんばりたい」

 いつの日かラスベガスのリングで、米国を拠点に活動する強豪たちと拳を交えたい。新王者はそのような夢も語った。

 志の高さが救いだと思いたい。

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