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“怪物くん”に続け!
プロになる2人の高校生。
~井上尚哉の弟・拓真と田中恒成~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byBOXING BEAT

posted2013/11/13 06:00

“怪物くん”に続け!プロになる2人の高校生。~井上尚哉の弟・拓真と田中恒成~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

昨年の高校総体ライトフライ級決勝で闘った田中(右)と井上。負けた井上は不服そうだ。

 いま陸上、体操などスポーツ界で「スーパー高校生」が活躍しているが、ボクシングも例外ではない。

 プロ4戦目で日本王座についた“怪物くん”井上尚弥もアマチュア時代から超高校級と騒がれたし、間もなく名古屋と東京でプロデビューする2人の大物ルーキーは、いずれも高校3年生なのである。

 その2人は「高校4冠」の田中恒成(中京高)と、尚弥の弟でやはり「高校2冠」の井上拓真(綾瀬西高)で、共に癖のない万能型のボクサーファイターだ。田中が所属する畑中ジムの畑中清詞会長は東海地区から誕生した初の世界王者。井上は兄同様大橋ジム所属で、大橋秀行会長も一時代を築いた世界王者だった。両会長は自らの経験も踏まえて、それぞれの逸材の売り出しに力を入れる。

高校日本一を懸けて5度対戦した2人の、2つの共通点。

 田中と井上は誰もが認めるライバル。これまで総体、国体、選抜と高校日本一の座を懸けて5度対戦し、田中が3勝2敗と勝ち越している。いずれも大接戦だった。プロではテレビ局の違いもあり直接対決は容易に実現しまいが、互いに刺激し合って成長していくことだろう。

 2人は共に熱心な父親の指導で小学校からボクシングを始めたが、強い兄がいる点も共通している。恒成の2歳上の兄・亮明は拓真の兄・尚弥と4度対戦して勝てなかったが、今は駒澤大学に進みアマの第一人者として五輪の夢を追っている。井上兄弟の父・真吾さんは尚弥とともに大橋ジム入りしてトレーナーとなったが、田中兄弟の父・斉さんも今は畑中ジムのトレーナーとして恒成を指導中だ。

 近年、高校生がレベルアップしたのは、キッズ世代のボクシングが盛んになったことと無縁ではあるまい。子供の頃からジムに通う例は昔からあったが、U-15大会や幼年ボクシングなど小中学生の大会が開催されるようになり、大人顔負けのテクニックを駆使する選手も現れた。そういった中での「実戦経験」が彼らの成長を後押ししているのは明らかである。

 井上兄弟のように高校1年生がインターハイで優勝するなど以前は考えられなかった。さすがにこれは極めて稀な例だが、尚弥のように高校生で大人の大会に出場し、全日本選手権を制覇する例も見られるようになった。その活躍が、アマ・プロを問わずこのスポーツ全体の底上げに貢献していることは間違いない。

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