プロ野球亭日乗BACK NUMBER

代表戦を“花相撲”にしないために。
小久保ジャパンが得た3戦の大収穫。 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

PROFILE

photograph byAP/AFLO

posted2013/11/13 10:30

代表戦を“花相撲”にしないために。小久保ジャパンが得た3戦の大収穫。<Number Web> photograph by AP/AFLO

台湾に3連勝で、上々のスタートを切った小久保ジャパン。4年後のWBCへ向けて、長い戦いは始まったばかりだ。

 小久保裕紀新監督を迎えて始動した新生侍ジャパンの強化試合が、11月8日から台湾・台北で行なわれた。

 台湾代表を相手にアウェーに乗り込んでの3連戦。新監督の初采配に若手中心の代表チームと初ものづくしだったが、全試合が2点差以内の接戦で、日本代表にとっては収穫の大きな遠征となった。

「メンバー選定の段階から、日の丸を背負って侍ジャパンに参加したいという強い希望をもった選手を選んだ。4年後は彼らが中心になるという想定での編成だった」

 小久保監督がこう語るように、今回の代表は4年後の2017年に予定されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第4回大会を最終目標に設定したチーム編成だ。その中で全28選手中、アマチュア4選手を含む26選手が代表初招集組と若手中心で固められ、このフレッシュなメンバー編成が遠征成功の最大の要因だった。

 実は、国内プロリーグが最大の人気を誇る野球の日本代表の難しさは、WBCの予選や本番以外では選手のモチベーションが低く、それ以外の代表戦は“花相撲”になりがちだ、という点にあった。

高いモチベーションをもたらした2つの要素。

 昨年の3月に台湾プロ野球の代表チームを日本に招いて行なった東日本大震災復興支援チャリティー試合など、これまで何度か本番以外に代表チームを編成して試合を行なったことはあった。しかしそのいずれも日本の主力選手の調整に問題があるなどチームとしてフルに動ける状態になく、試合自体が大きな盛り上がりにつながらなかったのが実情である。

 しかし、今回はシーズン終了直後で調整面は万全。しかもフレッシュなメンバー構成もあいまって各選手の代表に対するモチベーションがとても高かった。それが3試合とも真剣勝負につながり、結果的にはチーム全体に収穫をもたらすことにもなったわけである。

 もう一つ、その高いモチベーションを維持する力となったのが、日本ではなく台湾に遠征して試合を行なった点にあった。

 おそらく日本で同じ試合を行なっても、スタンドは空席も目立って盛り上がったものにするのはなかなか難しかっただろう。おのずと参加している選手が緊張感を維持するのも難しい環境になってしまったはずだ。

【次ページ】 完全アウェーでのプレーを体験した意味は大きい。

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/3ページ
関連キーワード
小久保裕紀
陽岱鋼
小川泰弘
大瀬良大地
WBC

ページトップ