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不可能を可能にした、
青山博一の来季に期待。
~モトGP唯一の侍、強豪へ移籍~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2013/11/07 06:00

不可能を可能にした、青山博一の来季に期待。~モトGP唯一の侍、強豪へ移籍~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

今シーズン最高位は11位。厳しい戦いが続いてきただけに、移籍には大きな期待がかかる。

 日本人でただひとり、モトGPクラスに参戦する青山博一が、来季はスペインの有力チーム、アスパルへ移籍することが決まった。

 青山はホンダの生え抜きライダーで、'09年に250cc王者となり、'10年からモトGPにステップアップした。しかしケガが多く、'11年のスペインGPの4位を最高位に、'12年はスーパーバイク世界選手権(WSB)へスイッチ。だがマシンと相性が合わず、ここでも成績は低迷した。

 しかし、モトGPに日本人ライダーがひとりもいなくなった状況を危惧したホンダとグランプリを運営統括するドルナのバックアップで、今季はCRTマシンを使用するスペインのアビンティア・ブルッセンスからモトGPに復活していた。

 CRTマシンとは、参加台数を増やすためにドルナが考えた苦肉の策で、パフォーマンスが低く成績は期待できないが、ローコストで参加できる。早い話が台数合わせのマシンで、2年目を迎える今年はモトGPマシン12台に対して、CRTマシンは12台がグリッドに並んだ。しかし、性能差がありすぎることから、ホンダは'14年から市販レーシングマシンの供給を開始することを決めた。

33歳になる来季は、ホンダとドルナの後押しを受けて。

 チーム・アスパルは、CRTのナンバーワンチームで、来季はさらに上位を目指し、ポテンシャルの高いホンダの市販マシンを採用する。ホンダの市販マシンは、何年か前のワークスマシンと同等のパフォーマンスがある。エースライダーには、'06年にホンダでチャンピオンになったN・ヘイデン。そしてセカンドライダーに青山を据える。

「いまのチームでさえ、来年走るためには資金の持ち込みを要求されていた。正直、モトGPでシートを獲得するのは、ほとんど不可能な状態」

 そう語っていた青山だが、第15戦マレーシアGPの11位という今季ベストリザルトにより再びホンダとドルナの後押しを得て、33歳で迎える来シーズンはラストチャンスに懸ける。

 モトGPクラスでもう一度しっかりレースをしたいという青山。来年はないという土壇場の状況だったが、マレーシアの走りでチャンスを掴んだ。まさに9回裏の逆転ホームラン。「最後まで諦めない」がモットーの、青山の思いが結実するシーズンとなった。

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