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若手台頭の中で奮闘した
41歳、藤田寛之の存在感。
~2010年ゴルフシーンを振り返る~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byYuichi Masuda

posted2010/12/27 06:00

若手台頭の中で奮闘した41歳、藤田寛之の存在感。~2010年ゴルフシーンを振り返る~<Number Web> photograph by Yuichi Masuda

最終戦で優勝し、賞金ランク2位でシーズンを終えた藤田。初のツアーMVPも獲得した

 少し気の早い話だが、2011年4月に行なわれるマスターズ・トーナメントが、いまから楽しみである。

 なぜなら日本で初めてアマチュア選手が出場するからだ。

 これまで日本のアマチュアがマスターズの出場権を得るには、全米アマチュア選手権2位以内や全英アマチュア選手権優勝といった欧米の大会での実績が必要だった。

 しかし、'09年から開催されているアジアアマチュア選手権の勝者にも権利が与えられることになった。その結果、'10年の同大会で東北福祉大1年の松山英樹が優勝し、出場権を獲得したのだ。

 かつて招待状が届くのを待つしかなかった時代には、マスターズ出場は、プロにとっても夢の夢だった。

 だが'11年は、松山英樹のほかに、石川遼、池田勇太、そして世界ランキング48位の藤田寛之と4人に出場権が与えられることになった。

「40歳を過ぎた僕でも頑張れる、ということを見てもらいたかった」

 今季を振り返ると、10代、20代前半の選手の活躍が目立ったが、その中で41歳の藤田の奮闘と後半の追い上げは印象的だった。

「今年の藤田さんは、鬼気迫るものを感じる」と呟いたのは、藤田の関係者のひとりだ。

 それは、自分の肉体をいじめ抜き、練習を積み重ね、摂生している日々を観てきたからこそ、出てきた言葉だろう。

 藤田自身は、今季ツアー最終戦の日本シリーズJTカップで優勝した後、次のように語っていた。

「いまの僕だからできることを、しっかりとやり抜きたい。若い選手に負けたくないという気持ちよりも、40歳を過ぎた僕でも頑張れる、やればできるということを見てもらいたかったんです。それが、同年代の人たちへ、僕が送ることができるエールだと思っています」

 男子日本ツアー優勝者の平均年齢は、年々下がっており、今年は遂に30歳を切った(29.9歳)。石川遼や池田勇太を筆頭とする若手の勢いに待ったをかけたのが藤田の存在だった。

 藤田のマスターズ出場が正式に決定したことによって、19歳の松山と41歳の藤田の対照的なプレーを、オーガスタで見ることができる。

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