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マンUで苦しむ香川。
今こそ移籍の決断を。
~ドルトムント復帰の選択肢は?~ 

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byTomoki Momozono

posted2013/11/05 10:30

ベラルーシ戦後、香川は「試合に出ないといけない」と語っていたが……。

ベラルーシ戦後、香川は「試合に出ないといけない」と語っていたが……。

 香川真司が苦しんでいる。今季、所属するマンチェスター・ユナイテッドでの出場機会はわずか。日本代表では今のところ先発の座に留まっているが、好調時にくらべてしまうとパフォーマンスの低下は明らか。10月のセルビア戦、ベラルーシ戦では、独特の軽やかなボールタッチがみられないばかりか、試合に入り切れていない印象を強く残した。香川が常に口にする「得点という結果」を求めてボールを持ちすぎるプレーぶりは、チームのリズムを崩しているようにさえ見えた。

メディアも当初は“香川推し”の論調だったが……。

 こうなると試合出場時間を増やすべきであることは明白だが、マンUでの状況は厳しい。ファーガソン監督のあとを引き継いだモイーズ監督は、今季序盤なかなか結果を出せずに苦しんだ。昨季プレミア王者らしからぬ戦いぶりに、まずは指揮官への批判が相次いだ。その中に、香川起用を求める報道も少なからずあった。縦に速いばかりの古いスタイルでは、英国内で勝てても欧州で勝てなくなっているのがここ数年の現実で、その現状を打開する為にやってきた香川への冷遇はいかがなものかという論調だった。

 また、ようやく起用したと思ったら左MFだったこともやり玉にあがった。「ルーニーの後がまとして獲得したのに左で使ってどうする」とデイリーメール紙なども手厳しかった。一方でモイーズ監督も「香川にはトップ下がベストだが、ここでは色々やってもらわないと」と、ひるむ事はなかった。

18歳の新星ヤヌセイの登場によって、難しい状況に。

 だが、メディアの“香川推し”は長くは続かなかった。18歳の新星ヤヌセイの登場がその理由だ。ミドルレンジの正確なシュートと、クロスやラストパスの精度と視野の広さは、あっという間にオールド・トラッフォードを虜にした。現在のマンUが左MFとしてはまさに望んでいたスタイルだということも確かで、プレミアリーグで初先発したサンダーランド戦以降、報道もヤヌセイ一色に転じたのは自然なことかもしれない。クラブは10月19日、2018年までの5年契約を発表。爽やかなルックスも込みで、マンUのあらたな顔となりそうだ。

 そんな香川の現状に「オレがもしあの状況に置かれたら、移籍するな」と密かにもらす日本人選手は少なくない。選手は試合に出てこそ輝けるもの、というのが彼らに共通する意見だ。

<次ページへ続く>

【次ページ】 マンUが簡単に香川を手放さないだろう理由とは?

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