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ハイレベル、ハイリターンの米ツアー。
松山と石川の賞金額は上がるのか。 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byYasuhiro JJ Tanabe/AFLO

posted2013/10/30 10:30

ハイレベル、ハイリターンの米ツアー。松山と石川の賞金額は上がるのか。<Number Web> photograph by Yasuhiro JJ Tanabe/AFLO

8月の全米選手権で、ともに練習ラウンドを回る松山英樹と石川遼。まだ20代前半の2人が、これから日本ゴルフ界の歴史を塗り替えていくのを期待したい。

「米国でプレーするほうが稼げる選手」の条件とは。

 丸山の年間最高の獲得賞金は2004年の230万1692ドル。当時のレートは1ドル110円くらいだったから、換算すると約2億5319万円になる。日本ツアーの歴代最高額が2001年の伊沢利光(2億1793万円)だから、2004年の丸山は、明らかに「日本でプレーするより、米国でプレーするほうが稼げる選手」だった。また、日本ツアーを経験せず、米国でプロになった選手の中では、今田竜二の2008年、302万9363ドルがある。当時のレートは1ドルがほぼ100円だったから、約3億300万円だ。

 2013-2014シーズンの松山と石川は、ともに全盛期の丸山のレベルまで、あるいは2008年の今田のレベルまで、行ける可能性が出てきたと言える。

 松山は、2013年の全米オープン、全英オープン、全米プロという3つのメジャー大会で10位タイ、6位タイ、19位タイという好成績を収め、この3大会だけで約4522万円の賞金を獲得している。日本ツアーで得られる以上の年間賞金の基準を200万ドル(約2億円)とすると、新シーズンの出だしを見る限り、これをクリアする可能性は十分だ。

賞金額は高いが、レベルも高い全米ツアー。

 一方の石川は2013年、米ツアー23試合のうち10試合で予選落ちするなど苦しんできたが、10月の新シーズン開幕とともに復調してきた。

 2009年には18歳で日本ツアー4勝を挙げ、年間1億8352万円を獲得して史上最年少の賞金王に輝いたあと、2010年も1億5146万円で賞金ランク3位、2011年も9828万円で3位と安定していた。だが米ツアーと日本ツアーを半々で出場した2012年は、米ツアー18試合で予選落ち8試合、トップ10入り2回で獲得賞金は72万7051ドル(約7271万円)。まずまずだったが、2009年から2011年の金額を超えることはできなかった。そして2013年は42万4541ドル(約4245万円)だった。

 1試合当たりの賞金額は米ツアーのほうがずっと高い。全米オープンの優勝賞金は144万ドル(約1億4400万円)だが、日本オープンは4000万円だ。日本ツアーで収めていた順位と、同等の順位に入れば、獲得賞金は大きく増えることになる。

 しかし、米国だけでなく欧州やアジアからも有力選手が集まっている米ツアーで、日本ツアーと同等の順位を収めるには、それだけレベルの高いプレーが必要とされる。丸山は、日本でプレーしたあと、それを成し遂げたわけだ。

【次ページ】 女子に目を向けると、少々状況には違いが……。

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