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左後一白の馬が見据える未来~ユニオンオーナーズクラブ所属ペガサス31~ 

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posted2013/10/18 19:00

左後一白の馬が見据える未来~ユニオンオーナーズクラブ所属ペガサス31~<Number Web>

世界最高峰のGI、第92回凱旋門賞が(ロンシャン競馬場芝2400m)終わりました。
日本代表の出走馬たちは、渡仏後の調教も順調で前評判も高く、これまでにない大きな期待を集めて今年こそはと挑んだレースでしたが、世界一の称号に輝いたのは、フランスのオークス馬トレヴという結果に…。
大きなお祭りが終わった後のような静寂もつかの間。今月はG1レースが多くあり息をつく暇もありませんが、競馬ファンも体力勝負。ここからが本番!という新たな気合いが入ります。

ユニオンオーナーズクラブに、将来有望な女の子をみつけました。
ペガサス31(牝 鹿毛 3月25日 YSスタッド生産 関東・相沢郁厩舎入厩予定)。
父は2007年のドバイデューティーフリー、宝塚記念を制し、その年の8月に発表されたJPNサラブレッドランキング上半期において125Mの評価を得たアドマイヤムーン。
同年のジャパンカップでは、ライバルたちの猛追を許さず差し切り勝ちをおさめ、自ら引退の花道を飾り種牡馬となりました。父としての初年度から産駒の成績も順調のようですね。

瞬発力に優れ、切れ味鋭い末脚を武器にして闘ってきたアドマイヤムーンは、こちらも強烈な末脚で1999年のオークスを制したウメノファイバー(父サクラユタカオー)と出会い、ペガサス31が生まれました。
1000年代最後の国内オークス馬である母ウメノファイバーは、「丈夫な馬づくり」を目指す生産者の意向で、1歳時から他場で夜間放牧をしながら育ち、京王杯3歳ステークス、クイーンカップ、優駿牝馬と勝ち鞍をあげ、1999年JRA賞最優秀4歳牝馬(部門名は当時)に輝くなど、しっかりと結果を残す名牝となりました。

母系を遡ると、日本の競馬史に名を刻むトキツカゼ(1947年の皐月賞、優駿牝馬を制し、日本ダービー2着)に辿りつくという名牝系。この血を受け継いでいるウメノファイバーの孫にあたるヴェルデグリーンが、先日のオールカマー(G2 )を優勝しました。クラシックホースの血が再び蘇る出来事と言えます。
名牝の血を引く母系ラインを見ても、ペガサス31が女の子に生まれてよかったなと思うほどです。

立ち姿の写真から、いくぶん小ぶりな馬体に見えますが、気持ちが強く、他馬にひるむことのない根性のある女の子だと伺い、競馬に不可欠な前向きさを感じます。
ぴりっと勝ち気なところのある牝馬は、牡馬を蹴散らす醍醐味も想像もできることから、私にはとても魅力的に映ります。

両親が武器としていたスピード、瞬発力がしっかりと伝わっているような脚元には、左後一白(さこういっぱく)という名馬(シンザン、ハイセイコー、シンボリルドルフ、オルフェーヴルなど)に多いといわれる白斑が左後肢にあり、一番初めに注目して見とれてしまうほど。夢のある女の子ですね!

ペガサス31の預託予定先である相沢調教師は「ファイバーの仔で何としても結果を出したい」と本馬に賭ける意気込みを熱く語られ、今後ますます目が離せない1頭になりました。

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プロフィール
上坂由香(エッセイスト)

札幌市生まれ
初めて買った馬券が的中し(ウオッカの日本ダービーで馬単)ビギナーズラックが実在すると身をもって証明。
38歳から乗馬もはじめ馬産地や牧場・乗馬クラブを訪ねては馬と戯れ馬に乗る。
「夜間放牧」と称して飲み歩き知らないおじさんと競馬の話をするのが好き。

第6回Gallopエッセイ大賞受賞
週刊Gallop「競馬の流儀」リレーコラムを連載中
道新オントナWebコラム連載中

JBIS-Searchと競走馬ふるさと案内所とのコラボ企画、競馬女子部として活動中
競馬女子部ブログ→http://girls.jbis.or.jp/

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